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裁量労働制の現状|制度の趣旨に反した不当な長時間労働等の問題とは?

投稿日:2019年4月21日 更新日:

1日8時間、週40時間を超えて働いた場合に残業代がもらえるということは多くの人が知っています。しかし、実労働時間を把握するのが困難な職種や業務の場合、みなし労働時間を決めて、仕事に応じて賃金を支払う制度を裁量労働制と呼んでいます。

裁量労働制の大きな特徴としては、出退勤時間の制限が無くなり、実労働時間に応じた残業代は発生しません。また、この制度の対象は設計者や技術者など法律が認めた業種に限られます。

なお、裁量労働制の本来は、労働者が効率的に働き、正当に成果を評価される制度ですが、制度の趣旨に反して、不当な長時間労働等の問題も出てきています。

裁量労働制とは

1.労使協定を結ぶ必要がある

裁量労働制を導入するためには、会社側と労働者側が労使協定を結ぶ必要性があります。労働者側は、社内に労働組合があれば、労働組合の代表で、労働組合が無ければ、労働者の過半数を代表する人になります。

この締結で、具体的な時間配分(出退勤時間)の指示はしないと定めたり、みなし時間制の規程などを定めて、労働基準監督署へ届け出をします。

2.専門業務型裁量労働制

法令等により定められた19業務が対象となります。専門業務型の例としては以下のような業務が裁量労働型の対象になります。

  • 新商品、新技術などの研究開発
  • デザイナー
  • ソフトウェア開発、システム分析
  • TV番組の制作指揮(プロデューサー)
  • 弁護士・税理士、経営コンサルタント
  • 取材・編集、コピーライター など

上記のような専門分野に特化した職業群は、専門業務型裁量労働制が適用されます。たとえば、研究開発部門での仕事の場合、毎日8時間、1ヵ月働いたとしても、確実に新商品や新技術が生み出せるわけではありません。

逆にアイデアが閃けば数日で商品開発に繋がることもあります。費やした時間が成果ではないという業務を指します。

3.企画業務型裁量労働制

企業経営・事業運営に直接影響するような企画立案・調査・分析などの仕事を行なう職種が企画業務型裁量労働制が適用されます。企業の中核部門で企画立案などを自律的に行うホワイトカラー労働者に適用されます。

企業の経営に直結する企画や分析業務は、世の中の動き、自社、競合他社など多岐にわたる調査を必要とし、仕事の成果もレポートや計画書など多様です。時間単位での成果が見えにくいため、裁量労働の対象となっています。

裁量労働制のしくみ

1.勤務時間帯は決められていない

裁量労働制のもとでは、時間管理は個人の裁量に任せることになるので、勤務時間帯も決めず、出退勤も自由となります。

2.みなし労働時間が設定されている

「この職種の1日の労働時間は大体8時間くらい」と会社が決めた場合、実際の労働時間が6時間であろうと10時間であろうと「8時間勤務」とみなし、8時間分の賃金を支払うというしくみです。なお、このみなし労働時間は、労使で決めます。

3.フレックスタイム制との違い

裁量労働制は、業務の遂行方法、時間の配分が大幅に労働者の裁量に委ねられる一定の業務に従事する労働者を対象に実際の労働時間ではなく、みなし労働時間で管理するものです。

それに対して、フレックスタイム制では1日の出退勤時間を労働者に委ねますが、清算期間における法定労働時間と実労働時間との過不足を賃金に反映させるものです。このように裁量労働制とフレックスタイム制は全く異なった制度です。

4.裁量労働制での時間外労働

裁量労働制とは簡単にいえば、実際働いた時間に関係なく、事前に決めた時間(みなし労働時間)働いたとみなす勤務体系です。多くの企業では、1日8時間、週40時間労働制を採用しているところが多いと思われます。

その場合の実際の残業時間は、

  • 休憩時間を除く1日8時間を超えた労働時間
  • 休憩時間を除く週40時間を超えた労働時間(1日8時間を超えた労働時間を除く)

の合計となります。

たとえば、みなし労働時間を1日8時間とした場合には、労働時間が6時間でも、10時間でも、8時間労働したこととして扱われます。

みなし労働時間を1日8時間以内に設定した場合には、残業代は発生しませんが、みなし労働時間が8時間を超えるように設定した場合には、8時間を超える分の残業代が発生することになります。

たとえば、みなし労働時間を9時間とした場合には、1時間分の残業手当が必要になります。

その他にも、深夜勤務(22時~5時まで)や法定休日(労働基準法によって、使用者が労働者に対して最低週1日与えなければならないとされている休日のこと)に労働した場合にも、残業代が発生することになります。

5.裁量労働制とは異なる「みなし残業」制度

多くの企業が「みなし残業」制度を実施していますが、「みなし残業」制度と裁量労働制は全く異なるものです。「みなし残業」制度は、会社が毎月あらかじめ○◯時間残業したとみなして一定額の残業代を固定で支払う制度です。

裁量労働制のメリット

裁量労働制は、労働時間の縛りが無いため、時間の融通が利くことが最大のメリットとなります。1日の時間を労働者の自由に利用できるため、その人のライフスタイルに合わせた時間の使い方ができますし、やりやすい時間に仕事を行うということも可能です。

時間にとらわれない自由な働き方は、研究開発など費やした時間が成果ではないという仕事にはうってつけの雇用制度であり、時間に縛られると仕事の効率が悪くなるといった業種にも最適な雇用制度といえます。

裁量労働制のデメリット

表向きは評価基準を時間でなく成果に置き、労働者の裁量によって労働時間が決まり、効率的に働いてもらうという趣旨の裁量労働制ですが、多くの問題が生じています。裁量労働制で最も多い問題が実労働時間とみなし時間がかけ離れている点です。

本来、それまでの労働環境を参考の元に労使の協定でみなし時間も取り決めますが、それがしっかりしておらず、実労働時間とみなし時間に差が出てしまいます。

差が出たまま、基本的に労働時間がみなし労働として扱われることになるため、朝から夜中まで働いた場合でも残業手当は一切支払われないという問題があります。

当然、深夜10時以降から翌朝5時までに働いた場合や法定休日に働いた場合には、裁量労働制でも残業手当や休日出勤での割増賃金が適用されます。

しかし、裁量労働制を取り入れている企業では多くの場合、夜中や早朝の勤務を禁止しているケースも多く、考え方次第では、裁量労働制は残業代をカットできる雇用制度となる可能性もあります。

不当な長時間労働等の問題とは?

現状はみなし労働時間内では終わらないような仕事量を与えられることで、ほぼサービス残業と同じ状態になっている人が多くいます。

また、最初はよかったが、頑張って仕事を終わらせ早く帰っていた結果、結局さらに仕事を与えられ、みなし労働時間以上に働かなければならなくなるということもよくあります。

みなし動労時間より短い時間で終わるなんてことはほとんどなく、ただ残業代が減った分給料が減るだけという結果を招いています。

本来は、成果や最初に決められた仕事量に応じてみなし労働時間が決められるべきなのですが、ほとんどの会社はそのようになっていません。みなし労働時間の設定自体に問題があります。

本来の目的通りに機能するようにしなければ、今後も弱い立場である労働者は疲弊していくばかりです。

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