インターンシップは、学生が企業側へお願いをして職場体験をさせてもらっているイメージがあり、給料をもらえる概念すらない参加者もいます。
しかし、インターンシップでも給料が支給される場合があります。
従来のインターンシップは職場経験を積む意味合いが強く、一般的に給料が支給されませんでした。
しかし、インターンシップは労働の一環という見方が広がり、労働であるから給料を支給しなければならないと考え方が変化してきました。
インターンシップ参加者への給料の支払いはあるのか
最近では、インターンシップ参加者に給料を支給している企業が増えています。
給料を支給するインターンシップを運用している企業のなかには、交通費だけではなく、ランチ代やセミナー参加費を全額負担してくれるところもあります。
なお、有給インターシップ情報サイト「ゼロワンインターン(https://01intern.com/)」に掲載している約350社の有給インターンを募集している企業を調べてみると、おおよそ次のようになっています。
- 時給の場合:時給1,000円〜1,500円
- 日給の場合:日給5,000円〜1万円
- 月給の場合:月給5万円〜8万円
- 成果報酬の場合:1作業や1成約につき1,000円〜5万円
大学生の多くがアルバイトで生計を立てている状況を踏まえ、インターンシップの報酬はアルバイトの時給に近づけています。
有給インターンシップであれば、アルバイトの代わりにインターンシップに参加できるところが大きなメリットです。
給料がもらえるインターンは全体の1割にも満たない
給料がもらえるインターンシップというのは、ある就活サイトの情報によると全体の1割にも満たないのだそうです。
「インターンシップの報酬・給与の平均がどの程度もらえるか」以前の話で、そもそも報酬・給与が発生する有給インターンシップの比率は極めて低いということです。
インターンとして働く学生が増えている一方で、給料が支払われないインターンシップが今も多く存在するのはなぜか。
それは給料が支給されないインターンシップのほとんどが、1dayや3daysといった短期のインターンシップだからです。
最近では、会社説明会や職場見学なども「短期インターン」と呼んでいる企業が増えています。
この短期インターンでは、複数の就活生が集まってのグループディスカッションやワークショップが主な内容です。
無給の短期インターンが多い訳とは
給料が支給されないインターンシップを受け入れる企業が多いのは、一体はなぜなのでしょうか。
短期インターンを実施する企業の多くが、自社をアピールしたり、理解を深めてもらうことを目的としています。
また、急成長を遂げている企業の中には、コストをできるだけかけずに「職場体験の一貫」と捉えているケースもあります。
企業のカルチャーや理念を共有してもらう場として短期インターンを実施し、職業体験という価値を提供する考えが大きく関係しています。
1.給料以外の支給がある
給料ではありませんが、交通費の支給がある企業がほとんどです。
遠方の学生ですと交通機関を利用するため交通費だけでかなりの費用になります。
そのため多くの企業は、インターン期間の交通費を全額負担してくれます。
また、宿泊場所を用意してくれる企業もあります。
1週間のインターンシップの参加となると膨大な費用になります。
そうならないように宿泊施設を準備してくれる企業があります。
なお、交通費や宿泊費を支給していない企業もありますので、参加する前に、企業ホームページや、直接問い合わせるなどして確認するとよいでしょう。
また、交通費や宿泊費以外にも、他社との差別化を図るため、昼食代が支給されるところがあったり、少ないながらも報酬を出すところもあるなど、インターンシップは学生にとって参加しやすいものになっています。
企業によって様々な特色があるので、調べてみるのもよいでしょう。
2.短期インターンシップは労働ではない場合が多い
短期インターンは、1日~数週間で実施されます。
また、業務内容は、見学やグループワーク、業務疑似体験といったものが多く、直接企業の実績に関わるわけではないので無給としている場合が多くあります。
基本的に賃金とは、企業の実績に関わる場合に発生します。
しかし、短期インターンの場合、企業で働くというより、業務内容の説明を聞いたり、グループワークをしたりして学ぶことがメインとなり直接業務にかかわらないことがほとんどです。
また、企業側が短期インターンをする目的は、多くの学生に自社について知ってもらうことです。
その他にも、グループワークを通して優れた学生を見つけること、優秀な学生を早期に囲い込むことなどがあげられます。
短期インターンは賃金が発生することはほとんどありませんが、参加する価値は十分にあります。
さらに、短期であるがゆえに様々な企業のインターンシップに参加できるのも魅力です。
給料が支払われるインターンシップがあるのはなぜか
できるだけ本当の仕事を体験してもらおうということで体験内容が実際の仕事に近づいてくると、もはや体験ではなく実際の労働と同じ状態になります。
そこで給料を支払うようにしたのです。
しかし、給料を支払うと企業にとってはコスト負担が生じます。
それでもあえて給料が出るインターンシップをする理由は、給料が出るインターンシップの方が優秀な学生が集めやすいからです。
インターンシップは、将来会社を支える人材を発掘するために、採用活動の一環として行われている面もあります。
人材発掘のためにあえて給料を支払うのは採用活動費として支払っているようなものです。
業界によっては、インターンシップの労働条件の良さを競って優秀な学生を囲い込もうと激しい競争が繰り広げられているケースもあるようです。
優秀な人材を確保し、尚且つミスマッチを減らしたいと考えている企業にとっても、この長期インターンの受け入れは定職率を高めることにつながっているのです。
有給インターンシップを実施するということは、学生と企業の両方にとって大きなメリットがあります。
また、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が平成26年4月に発表した、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」では以下のように有給が望ましいとしています。
「インターンシップの機会提供にあたっては、短期プログラムの内容の充実を図りながら拡大することはもちろんのこと、教育効果の高い中長期インターンシップや、専門教育との関連付けにより一層効果を発揮するコーオプ教育プログラム(例えば数ヶ月間~数年次にわたり大学等での授業と企業等での実践的な就業体験を繰り返す教育プログラム)、学生の責任感を高め、長期の場合には学生の参加を促す効果が考えられる有給インターンシップなど、多様な形態のインターンシップをその目的に合わせて柔軟に取り入れることが重要である。」
(参考:文部科学省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」)
このように教育的観点からも、長期インターンの場合には、有給であることが推奨されつつあります。
給料を支払わないことは労働基準法に違反とはならないのか
労働基準法第9条では、下記のように記されています。
「第9条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」
インターンシップ参加者が労働者に該当する場合、無給や最低賃金以下で働かせることは違法となります。
「就業体験という名目であっても、インターンシップ参加者が、単なる実習生ではなく、労働基準法第9条の労働者とみなされる場合には、当然、労働基準法の適用を受けるので、使用者には賃金支払の義務が発生することになります。(労働基準法24条)また、最低賃金法の適用も受けることになります。」
インターン参加者が労働者に該当するかどうかは、使用者との指揮命令関係の有無や、インターンでの作業が企業の利益につながったかなどの事情によって判断されます。
労働基準法第9条の労働者とみなされるかどうかの判断は、平成9年の労働省の行政通達によると、以下のように判断しています。
インターンシップにおいて、実習が見学や体験的なものであり、インターンシップ生が使用者から業務に関する指揮命令を受けているとは解釈されないなど、使用従属関係が認められない場合には、労働者(労働基準法第9条)に該当しないと考えられ、他方、直接生産活動に従事するなど、当該作業による利益・効果がその事業場に帰属し、かつ、事業場とインターンシップ生との間に使用従属関係が認められる場合には、そのインターンシップ生は労働者に該当すると考えられる。
要するに、指揮命令関係の有無(仕事の依頼、業務従事の指揮等を断ることができるか等)、インターンシップ参加者の作業によって企業側が利益・効果を上げたか(パソコンで作成したデータなどを企業のものとして活用してしまう等)、といった事情を総合判断して、労働基準法第9条の労働者とみなされるか判断されることになります。
なお、1日で完結する職場見学や説明会であれば、実際に企業の業務に関わっているわけではないため、労働基準法には違反していないということになります。
また、企業側が最低賃金以下で働かせた場合、法的に賃金支払を請求することは可能ですが、インターンシップ参加者にとっては、インターンシップを就職活動の一環という認識を持っている人が少なくないと思われるので、現実的には、企業側に法的要求をしにくいという事情はあるかもしれません。
インターンシップとアルバイトの違いとは
有給のインターンシップが増えていますが、有給インターンシップはアルバイトと同じように見えますが、実は全然違います。
1.対象者の違い
アルバイトは、明確な年齢制限がありません。
したがって、30代・40代の方も応募が可能です。
募集の目的は「雇用の増員」が目的です。
学業への配慮をしてくれない企業もあるため、学業を疎かにしてアルバイト三昧の生活を送る大学生もいます。
一方、インターンシップは学生を対象に募集をしています。
企業によっては、学業支援として、書籍代を出してくれる企業もあります。
また、様々な学生のコミュニティにもなるので、とても刺激を受ける場にもなります。
2.目的の違い
ほとんどのアルバイトは、マニュアルを覚えるルーティーンの仕事がほとんどで、お金を稼ぐことが目的となっています。
一方、インターンシップはいわれたことをこなすだけでは認められません。裁量がアルバイトと比べ、かなり大きいため、考えて行動することが求められます。
インターンシップは成長することや自分の可能性を広げることが目的となります。
3.責任・成果の違い
アルバイトでは、まずマニュアルを覚え、マニュアル通りに働くことが主となります。
一方、インターンシップはほとんどマニュアル通りには働きません。
自分で考えて働きます。
多くのインターンシップでは研修があります。
また、個人の裁量が大きいので、本気で指導・アドバイスしてくれます。
しかし、失敗した時は怒られますが、その後、これからどうしていくかを親身になって考えてくれます。
やりがいを見出すためにも有給インターンシップに参加する価値はある
インターンシップの給料があるのかないのかについて調べてみたところ、1日や1週間の短期インターンをした場合に関しては無給のケースが多いようです。
しかし、働くのであれば給料があった方がやりがいを見出せます。
今後、自分が働こうと考えている企業の実情を把握し、かつ実務経験も身に付けたいと考えているのであれば、長期インターンにチャレンジしてみることをオススメします。
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