マネー全般

定年後の収入を「見える化」する

投稿日:2018年8月30日 更新日:

老後に不安を感じるのは、その不安の「正体」がわからないからです。その正体とは、老後にどのくらいの貯蓄があれば大丈夫なのかではないでしょうか。

何歳までどのような生き方をして、どのような死に方をするかは神のみぞ知ることで、人生の終焉を迎えるまでに必要な金額は正確にはわかりません。

余命が延び続け、それに伴って老後資金として必要な金額が増えているのは確かです。お金のある人こそ、金融リテラシーが高いので、漠然と不安を感じることでしょう。

このような不安を解消するためには、一般的な必要金額を確認するのではなく、自分の老後を「見える化」する作業をしてみることをおススメします。

定年後の世帯収入の変化

定年を境に収入は大幅にダウンします。その後の収入源は複数になり、世帯収入は変化します。多くの人は、現役時代の収入源は勤めている会社からの給料だけでしょう。

定年後の再雇用で働いた場合、定年後の60代前半は給与収入があり、さらに生年月日よっては公的年金の一部も受け取れる人もいます。これらを合わせたものが世帯収入になります。民間の個人年金保険に加入していれば、その年金収入も加えて得られます。

65歳から年金生活に入ると、会社員だった人は、老齢厚生年金と老齢基礎年金を合わせた年金の受給がスタートします。配偶者の公的年金も加わります。

また、勤務先で企業年金制度があったり、退職金の一部を年金受け取りにする場合は、60歳ないし65歳から企業年金の収入もあります。定年後の収入源は、給与や年金など複数になりますが、合計額は現役時代の給与収入には届かないのが一般的です。

公的年金は受給開始後、生きている限り受け取れますが、民間の個人年金や企業年金の多くは受給期間が決まっています。たとえば、個人年金は60~69歳まで、企業年金は65~74歳までであれば、65歳時点の収入は、個人年金と企業年金、公的年金となります。

これが70歳時点になると収入は、企業年金と公的年金となり、75歳時点では公的年金だけとなり、収入は大きく減ります。世帯収入額の変化を盛り込んだプランを立てる必要があります。

そのために、一覧表を作ってみることをオススメします。収入源ごとの収入と金額、その年の世帯収入合計額、受取期間を「見える化」するとよいでしょう。

年金収入が多いほど老後は豊かになるのか?

60代の時は世帯収入額が数年ごとに変化するので、書き出してみると想定外の結果になるかもしれません。収入を一覧表に書き出してみると、複数の年金収入があるほど老後は豊かなものに見えるかもしれません。

しかし、必ずしも「たくさんの年金」が正解とも限らないのです。毎年の収入が多いと、税金や、国民健康保険、介護保険といった社会保険料の負担率が重くなり、手取りが減る現象が起こるからです。

勤務先によっては、退職金の受け取り方法を「一時金」と「年金」で選択できます。年金で受け取ると、企業年金が引き続き運用してくれるため、額面での受け取り総額は、一時金より年金受け取りの方が多くなるケースが多いです。

ところが、「手取り額」に着目して試算すると、一時金の方が多くなるケースがありますので注意が必要です。

収入に加えて支出を「見える化」すると老後資金がいつまでもつか見えてくる

老後の最低限の生活費(支出)を紙に書き出すなどで大まかな金額が把握できます。老後は住宅ローンや各種保険の保険料、子どもにかかっているお金など現役時代に発生していた支出がなくなる一方、健康維持や持病の通院にかかる医療費など新たな支出が発生します。

これらを考慮して、つつましく暮らしたときの最低限の生活費を算出します。世帯収入の合計額が最も多いときの暮らしを長く続けると、収入が減ったときに貯蓄からの取り崩しが多くなります。

その貯蓄(老後資金)が何年くらいもつかを計算してみましょう。70代後半を迎える頃に貯蓄が心もとない金額に減ってしまったという事態にならないよう、収入ダウンの時期を念頭に置きましょう。

この大雑把な計算には、ちょっと贅沢するためのお金、入院したときの医療費や介護費用、マイホームのリフォーム費用、マイカーの買い替え費用などの臨時的な支出は入っていません。

これらを支出したとしても、老後資金が持ちこたえられることがわかれば不安が解消されます。つまり、簡単な老後資金プランを作って、老後を見てみるということです。逆に、持ちこたえられないとわかったら、何をすべきか、何をしない方がいいかも見えてきます。

たとえば、働くのは65歳までと考えていたがもう少し長く働いた方がいいとか、住宅ローンは65歳までに完済していないと後が苦しいとか、リフォームは最小限にとどめた方がいいとか、贅沢のレベルを少し落とさないといけないなどが考えられます。

-マネー全般
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

火災保険加入時の保険会社と代理店の選び方

火災保険は、住宅の火災による被害を補償する損害保険の一種です。この火災保険ですが、生命保険や医療保険とは異なり、自分で選んで入ったという記憶がない方が多いのではないでしょうか。 その理由は、住宅購入時 …

退職金は年金と一時金のどちらで受け取るのがトクか?

公的年金の支給額が引き下げられる中で、老後を支える役割が増しているのが定年時の退職金です。退職金の受取方法には、いくつか注意しなければいけないことがあります。退職金には税金がかかります。 受取方法の違 …

葬儀の準備は家族にも配慮する

葬儀で困る人が多くいます。いざ葬儀という事態に直面したときに、あわててしまうのはしかたのないことです。身内が亡くなるなどで慌ただしい中、どうしたらよいか分からないのに、決めなければならないことが多くあ …

老後の貯蓄額アップのためには年間を通じて支出を把握する

税金・社会保険料アップで手取り収入が減っていることや超低金利が長く続き、利息でお金を増やせない40~50代の人が多くなってきています。経済環境の変化によるものは自分でコントルールすることは難しいです。 …

ポイントを貯める!|ポイント4重取りで賢くショッピングしよう!

銀行に現金を預けても利息がほとんどつかない世の中で、お得に買い物をすることが家計にとって何より大切になってきます。特にやらないと絶対に「損」をするのが、ポイント制度の活用です。 買い物をすると「ポイン …