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退職金は年金と一時金のどちらで受け取るのがトクか?

投稿日:2018年9月9日 更新日:

公的年金の支給額が引き下げられる中で、老後を支える役割が増しているのが定年時の退職金です。退職金の受取方法には、いくつか注意しなければいけないことがあります。退職金には税金がかかります。

受取方法の違いによって、分割(年金)と一括(一時金)では税金の金額が異なります。退職金の受取で多くの人が悩むのが「年金」と「一時金」どちらがトクかです。退職金と年金との課税方式の違い、社会保険料負担も考慮する必要があります。

年金と一時金の選択に際して考慮すべき点とは?

会社員の退職金の受け取り方法は、「すべて年金」、「一時金+一部を年金」、「一時金のみ」などいくつかのパターンがあります。これらのパターンは勤務先により異なります。

「年金受け取り」を選択すると、退職金の原資は年金受取期間中も、多くの場合1~2%程度で運用されます。そのため受取総額は「一時金」より多くなるのが一般的です。今の超低金利下では魅力的に感じるでしょう。

しかし、手取り額で見ると、必ずしも「年金受け取り」が有利とは限りません。

手取り額は、額面の収入から税金(所得税、住民税)と社会保険料(年金生活となった後は国民健康保険料と介護保険料)を引いた額です。年金収入が増えると、これらの負担が重くなり、手取りが目減りします。

年金と一時金に係る税金

1.年金に係る税金

年金で受け取る場合、雑所得の公的年金等として次の算式で所得金額が計算されます。

公的年金等に係る雑所得の金額=収入金額-公的年金等控除額

ここで公的年金等控除額は年齢に応じて次のように計算されます。

公的年金等控除額
  公的年金等の収入金額(A) 公的年金等控除額
65歳
未満
130万円以下 70万円
130万円超410万円以下 (A)×25%+37.5万円
410万円超770万円以下 (A)×15%+78.5万円
770万円超 (A)×5%+155.5万円
65歳
以上
330万円以下 120万円
330万円超410万円以下 (A)×25%+37.5万円
410万円超770万円以下 (A)×15%+78.5万円
770万円超 (A)×5%+155.5万円

計算された公的年金等に係る雑所得の金額は、不動産所得、事業所得、給与所得、公的年金等以外の雑所得などと合計して総所得金額を算出します。

総所得金額から基礎控除、配偶者控除などの所得控除額を差し引いた金額に対して、退職所得の金額と同様に所得税、住民税、復興特別所得税が課税されます。(所得控除額は所得税と住民税で金額が異なるものがあるので注意。)

2.一時金に係る税金

一時金は退職所得となり、退職所得の金額は次の算式で計算されます。(特定役員退職手当等の場合は算式が異なります。)

退職所得の金額=(収入金額-退職所得控除額)×1/2
ここで退職所得控除額は次のように計算されます。

退職所得控除額の計算式
勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

※勤続年数の期間に1年未満の端数があるときには、1年切り上げ。

計算された退職所得の金額に対して控除する所得控除がある場合には控除します。最終的な退職所得金額に対して次の速算表に応じた所得税が課税されます。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

加えて、退職所得の金額に対して10%の住民税と、上で計算された所得税額の2.1%の復興特別所得税が課税されます。

たとえば、一時金が2,700万円で勤続年数が40年の場合、退職所得の金額は、
{27,000,000円-(8,000,000円+700,000円×(40年-20年))}×1/2=2,500,000円
となります。

この退職所得の金額に対して課される税金は、

所得税:2,500,000円×10%-97,500円=152,500円
住民税:2,500,000円×10%=250,000円
復興特別所得税:152,500円×2.1%=3,202円

となります。

3.年金と一時金のどちらを選択するのよいか?

年金と一時金のどちらを選択すると有利になるかは、年金受け取りの場合の運用利率、年金額、居住地の自治体の国民保険や介護保険の保険料率などにより異なるので注意する必要があります。

一般的には、1年あたりの年金額が多くなるほど、税金と社会保険料の負担が重くなり、一時金のほうが有利になる傾向にあることは覚えておきましょう。

国民健康保険料と介護保険料は、多くの自治体で毎年のように引き上げられています。将来も保険料アップは避けられないでしょう。

一時金のほうが有利になる傾向にあるのは、「退職所得」として所得税と住民税が課されますが、勤続年数に応じた「非課税枠(退職所得控除額)」があり、その金額までは税金がかからないなど、比較的有利な計算式になっています。

退職所得控除額は、勤続20年まで、年40万円、それ以降は、年70万円ずつ積み上がっていきます。たとえば勤続38年であれば、退職所得控除額は2,060万円です。この金額までは税金がかからず、超えても超過分の半分だけが課税対象です。

退職金を全額年金受け取りとすると、この非課税枠は利用できません。「年金受け取り」を選択するなら、「全額年金」は避け、「一時金」を税金のかからない範囲までの金額として、残りを「年金受け取り」とするような組み合わがよいでしょう。

さらに年金の受取期間を長くすると、1年あたりの年金額が少なくなり税金と社会保険料の負担は少なくて済みます。このことも覚えておくとよいでしょう。

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将来お金の不安をなくすためにできることとは?

将来的にお金の不安をなくすには、貯蓄を増やすことも大切ですが、ただ、貯蓄を漫然と続けているだけでは、お金が貯まることはあっても増えることはありません。足し算だけではなかなか資産は増えません。

貯蓄を始めることはもちろん悪いことではないし、大切なことですが、お金持ちは積極的に投資を行っていることを肝に銘じておく必要があります。

超低金利の時代に、2%、3%の金融商品を探そうとすれば、投資信託や株式といった投資商品にならざるを得ないでしょう。投資をすることはお金を増やす上では避けては通れないものと認識する必要があります。

平均寿命が延びてくると、定年退職後の収入を年金と貯蓄に依存するだけは不安を抱えながら生活することになります。投資で資産を増やすことが必要になってきます。お金の不安を解消して、老後を安心して暮らしていくために投資などにぜひ挑戦してみてください。

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