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老後の貯蓄額アップのためには年間を通じて支出を把握する

投稿日:2018年9月19日 更新日:

税金・社会保険料アップで手取り収入が減っていることや超低金利が長く続き、利息でお金を増やせない40~50代の人が多くなってきています。経済環境の変化によるものは自分でコントルールすることは難しいです。

しかし、支出に関する部分については、自分でコントロールする余地は残されているはずです。貯蓄を増やすためには、この支出に関する部分を把握することから始めるとよいでしょう。

家計の現状把握

老後資金づくりのために貯蓄額をアップさせるには、支出に関する部分、すなわち家計の現状把握が必要になります。現状把握のコツは「年間」を通じて支出を振り返ることにあります。

家計簿をつけていなくても作成できますので、安心して始められます。まず、支出の項目ごとに「毎月の支出」と「年数回の支出」に分けます。食費や公共料金のように毎月必要な支出は「毎月」欄に平均額を記入します。

固定資産税や交際費のように、毎月ではなく年数回の支出は「年数回」欄を使います。現役時代なら、「年数回」はボーナスから捻出できますが、年金生活ではボーナスはありません。

現役で働いている人は、ボーナスをあてにした支出がどの程度あるのか知っておくことが大切です。この部分が見直しの候補になります。

二つ目のポイントは、「基本生活費」をきちんと把握することです。住宅ローンの返済額や保険料は、通帳などを見るとはっきりわかります。しかし、食費や日用品といった細かな生活費は、日々の記録がないとわからなくなるでしょう。

そこで「基本生活費」を「①口座引き落とし」と「②お財布支出」の二つに分けます。基本生活費は、公共料金など銀行などの口座から引き落とされる費目をまとめます。通帳から集計できます。

お財布支出は、口座から現金を引き出して財布に入れた金額を1ヵ月分、合計して記入します。引き出したお金を何に使ったかは書きません。まずは、年間支出の合計額をはっきりさせることを目標にします。

年間支出シート
支出 項目 内容 毎月 年数回 年間合計
生活費 …… ○万円   ○○万円
住居費 …… △万円 ▲万円 △○万円
車の維持費 …… □万円 ■万円 □○万円
保険料 …… ×万円   ×○万円
小遣い …… ☆万円   ☆○万円
その他 …… ◇万円 ◆万円 ◇○万円
…… …… ▽万円 ▼万円 ▽○万円

大きな出費になっている費目を把握する

これらを年間支出シートに記入すると、いろいろと気づくことがあるはずです。各項目の「年間合計」を見ると、月々は多額でなくても、年間では大きな出費になっているものがあるでしょう。

ちなみに定年前の50代は、メタボ家計になっていることが多いです。やみくもに節約をするより、まず現状を把握したうえで、無理のない範囲で、たとえば「ここから毎月2万円減らした予算でがんばろう」と、各項目を縮小してやりくりしてみるとよいでしょう。

月2万円の支出減は、年間では24万円減になります。また、50代は生命保険料の支出も多いです。家計の大黒柱の生命保険料が大体月2万円弱で、さらに月数千円の医療保険やがん保険を夫婦で複数加入して、月4万~5万円の保険料となるケースも少なくありません。

保険料だけで年間48万~60万円にもなります。この部分も見直しの候補になりそうです。保険は定年になってから見直せばよい人もいますが、早く見直せば、その分多くの老後資金をためられます。

たとえば4万円の保険料を半分にできれば、年間24万円ためられます。このほか、通信費は携帯、固定電話、ネット、有料テレビなどで月に合計4万円以上の支出するケースもあります。格安スマートフォンへの切り替えなども検討するとよいでしょう。

ざっと「生活費」「保険料」「通信費」の三つの見直しだけでも、年間60万円前後の支出を減らし、老後資金に回すことも可能です。この他にも、年数回の「毎月の予算にない費用」(特別支出)についても見直しできる可能性があります。

ここで特別支出とは、毎月の生活費とは別に、突然、必要になるお金のことを指します。たとえば、結婚式のご祝儀や、家電の故障など、事前に予定をたてることも、自分でコントロールすることもできない支出を指します。

これらの支出は無駄遣いとは違い、お金を使う理由があるので支出を抑えることが難しい部分です。しかし、予定範疇にある生活費以外の特別支出は金額が少なくないので、貯蓄が増えない要因となっている可能性があります。

支出を「見える化」しないことには、貯蓄を妨げる原因を見つけることができません。いろいろ節約しているのに貯蓄ができないと無用のストレスを抱えてしまうことにもなりますので、支出の見える化は家計の見直しの始めに行うとよいでしょう。

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