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「つみたてNISA」と「iDeCo」利用するならどちらがよいか?

投稿日:2018年10月9日 更新日:

長期の積み立て投資に適する「つみたてNISA」と個人型の確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」はボーナス時の一括拠出も可能になる。税優遇を最大限に活用するかどうかで、老後資金に大きな差がつく時代となりました。

投資に関する節税制度が複雑で、どれを使えばいいのか迷う人も多いかと思います。この2つの制度については、「どちらのほうがいいか」「どちらを優先すべきか」といった議論がよく起きますが、考えるべきポイントがずれている場合が少なくないようです。

そこで、「つみたてNISA」と「iDeCo」のどちらを優先すべきかについて、どちらにするか迷ってしまう2つの要因を考慮しながら、確認していきます。

「つみたてNISA」と「iDeCo」のしくみやメリット

老後の資金を積み立てる手段として、税金面でメリットがある個人型確定拠出年金「iDeCo

(イデコ)」と、少額投資非課税制度「つみたてNISA(ニーサ)」のしくみやメリットを確認します。

1.つみたてNISAのしくみとメリット

つみたてNISAは、投資で得た利益への税金が、一定期間非課税になるメリットがあります。

たとえば、投資信託で10万円の利益が出たとします。本来は利益に約20%、約2万円の税金がかかりますが、NISA口座を利用すると非課税となり、利益は丸々手取りとなります。

積立て限度額は年40万円、非課税期間は20年です。金融機関で専用口座を開設し、商品を選んで積み立てます。購入できるのは投資信託のみで、預金は対象外です。いつでも好きなときに、積み立てた資産の一部または全部を引き出せます。

2.iDeCoのしくみとメリット

IDeCoの税金に関するメリットは以下の3点です。

  • 掛け金は所得控除の対象でその年の所得税と翌年の住民税が安くなる
  • 掛け金を運用して増えた分には税金がかからない
  • 積み立てたお金を受け取る時は退職金や公的年金の税制が適用され、税負担が軽くなる場合がある

たとえば、年収600万円の会社員や公務員で、扶養家族は妻と高校生の子1人の場合、月12,000円ずつ積み立てると、所得税と住民税の節税額は年29,100円。掛け金に対し、約20%の節税メリットが得られます。

加入時は自分で選んだ金融機関で専用口座を開きます。手数料や取り扱う商品は、各窓口で異なります。

口座を開いた金融機関が扱う預金、貯蓄型保険、投資信託の中から選んで積み立てます。掛け金は月5,000円以上で、1,000円単位で決められます。上限は働き方や勤務先により異なります。

限度額は会社員・公務員は月12,000円~23,000円、専業主婦(主夫)は月23,000円となります。詳しくは勤務先に確認しましょう。老後資金づくりの積立制度のため、受け取りは60歳以降です。

なお、60歳までの加入期間が10年に満たない場合、最長で65歳まで積み立てたお金を受け取ることができません。60歳以降は運用だけで積み立てをできず、節税メリットは受けられないので注意しましょう。

50歳を過ぎて初めて資産運用をする人にiDeCoは大きなメリットはないといえます。

受取額は、掛け金より増える場合も、減る場合もあります。値動きのある投資信託はもちろん、預金や貯蓄型保険でも、手数料以上に利息を得られないと、掛け金より増えない可能性があります。

つみたてNISAとiDeCoの比較
種類 つみたてNISA iDeCo
対象年齢 20歳以上 20歳以上60歳未満(50歳までには加入するのが望ましい)
運用期間 最長20年 最長40年
年間非課税枠 40万円 14.4~81.4万円(職業により異なる)
節税メリット 投資利益に対してのみ(購入後20年以内に利益確定が必要) 投資利益、掛金拠出時(全額所得控除)、受取時(退職所得控除・公的年金控除)
投資可能な商品 投資信託・ETFのみ 投資信託・元本確保型商品(定期預金・保険)
最低積立金額 100円から 5,000円から
換金条件 いつでも売却可能 原則60歳まで不可

2つの制度で迷う大きなポイントは「所得控除の有無」と「現金化のしやすさ」の2点

積み立てNISA とiDeCoの両方で積み立てできるほど、家計に余裕のある人は多くないでしょう。ではどちらがいいのでしょうか。迷うポイントは、以下の2点になりそうです。

  • 掛金に対して所得控除が使えるかどうか
  • 必要なときにいつでも引き出せるかどうか

「掛金に対して所得控除が使えるかどうか」を重視するのであれば、選択するのは「iDeCo」になります。掛金の全額所得控除は、「つみたてNISA」にはない「iDeCo」ならではの大きなメリットになるからです。

「つみたてNISA」と「iDeCo」の共通のメリットとして「運用益の全額非課税」がありますが、「非課税であること」が「非課税のメリットを受けられる」ではありません。メリットがあるのは、あくまでも利益が出たときだけです。

そう考えると、確実に「掛金の全額所得控除」で節税ができる「iDeCo」は非常に魅力的といえます。

実は掛金の全額所得控除の有無だけでなく、「必要なときにいつでも引き出せるかどうか」も非常に重要なポイントになります。「iDeCo」は老後資金の確保を制度の目的にしているため、60歳になるまで資金を引き出すことができません。

さらに、60歳までの加入期間が10年に満たない場合、最長で65歳まで積み立てたお金を受け取ることができません。60歳以降は運用だけで積み立てをできず、節税メリットが受けられないのです。

つまり、「iDeCo」では老後資金以外のライフイベントには対応できないのです。50歳を過ぎて初めて資産運用をする人にiDeCoは大きなメリットはありません。一方、「つみたてNISA」ならいつでも好きなときに、積み立てた資産の一部または全部を引き出せます。

この点を重視するのであれば、「つみたてNISA」のほうが使い勝手がよいということになります。

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