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火災保険の保険金の決まり方とは?

投稿日:2018年10月12日 更新日:

火災保険の保険金をどのようにして決めるのかご存知でしょうか。生命保険であれば、基本的には契約者が自由に保険金額を決めることができます。

しかし、火災保険では建物の評価額や面積に対する価額を大きく超えるような、例えば、2,500万円の評価の家に、5,000万円もの火災保険は掛けるというような保険金額を勝手に決めるというわけにはいきません。

保険料は時価評価が大事

火災保険に加入した場合、注意したいのは実際の損害額の算定方法です。火災保険は契約時の金額がそのまま支払われるのではなく、「時価に対する保険金額の割合」に応じて支払われるからです。

時価とは、保険の対象となっている物件の現在の値段のことです。美術品や骨とう品などを除き、住宅や家財は年数とともに劣化していくものなので、古くなればなるほど時価は下がります。

例えば家を新築した際に2,500万円の保険金が補償される火災保険に加入し、30年後にこの建物が全焼した場合、支払われる保険金は2,500万円ではありません。建築してから30年を経た住宅の価値は新築時よりも大きく下がっているためです。

保険会社から時価500万円と算定されれば、実損てん補の考えに基づき、支払われる保険金は500万円となります。

しかし、これで全焼しても保険金が500万円しか支払われないのに、保険金2,500万円相当の保険料を支払い続けたことになり、金銭的な大きな損失になります。

このようなケースを未然に防ぐには、保険会社に時価評価を依頼して、それに基づいて保険料を減らすか、保険金額を新価に設定することが必要になります。この新価は再調達価格とも呼ばれ、同じものを入手するのに必要な金額を意味します。

先程の例では時価は500万円となりますが、新価は物価水準が変わらなければ2,500万円です。全焼した場合、時価で契約したままであれば、保険金は500万円しか支払われませんが、新価で契約していれば2,500万円支払われることになります。

ただし、新価での契約は別途、価格協定特約を締結し、保険料を多く負担することになります。

 図 再調達価格と時価

保険金額「時価8割以上」のルール

今度は建物の時価が2,500万円でも全焼するリスクは少ないからという理由で保険金を1,000万円にしたケースを考えてみます。火災により家屋の一部が焼失して、500万円の損害が出た場合、支払われるのは500万円よりも少なくなります。

実際には損害額の半分程度しか保険金はもらえません。保険会社は保険価格に対する保険金額の割合でてん補するという原則があるためです。このような考え方を比例てん補といいます。

時価に対して8割未満の保険金額とした場合に、以下の計算式により保険金額が決定されます。

支払われる保険金額 = 損害額 × 契約した保険金額/(時価×0.8)

この計算式によれば、先程の例で支払われる保険金額は250万円となります。保険金額が時価の8割以上でない場合は損害額の一部しか保険金が支払われないというルールが適用されます。

最近ではこの比例てん補のない商品も販売されていますので、契約の際に確認してみるとよいでしょう。

住宅ローン利用者専用の火災保険

銀行や信用金庫など金融機関が自行で住宅ローンを利用している顧客向けに販売しているのが、住宅火災を補償対象とした住宅ローン専用火災保険です。

住宅ローン利用者が多数加入する結果、団体扱い割引が適用されるために保険料が割安になることと、融資期間に合わせた長期契約ができるのが大きな特徴となっています。また、ほとんどの商品が家財保険と合わせて加入できるようになっています。

ただし、一部例外はありますが、家庭用火災保険と同様に地震・津波・噴火による火災や倒壊などの損害については保険金が支払われません。そのため、地震の被害の補償を求める場合には専用の火災保険の契約と同時に地震保険に加入することになります。

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