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個人が加入する火災保険の特徴とは?

投稿日:2018年10月22日 更新日:

家庭の経済生活を脅かす様々な危険に対処するため、個人が加入する保険を家計保険といいます。企業経営の立場から利用される企業保険に対比されます。

家族の生命や身体に関する危険に備えるための生命保険、傷害保険、個人の住居や家財に対する火災保険および自家用自動車に対する自動車保険などが家計保険に属しています。このうち火災保険についてどのような種類があり、どのような特徴があるか確認しましょう。

住宅用火災保険の種類の特徴

1.保険の種類によって異なる住宅の補償

住宅専用の火災保険には住宅火災保険、住宅総合保険、オールリスクタイプの保険などがあります。これらの中で住宅専用の最も基本的なタイプの火災保険が住宅火災保険です。火災リスクだけでなく、落雷、破裂・爆発、風災、雪災による損害にも保険金が支払われます。

ただし、風災の場合は損害の箇所の数ではなく、損害額で20万円以上にならなければ支払われません。住宅火災保険よりも補償範囲が広くなっているものが住宅総合保険です。

住宅火災保険の補償範囲にプラスして、水災、建物外部からの物体の落下・飛来・衝突、水漏れ、盗難、集団的破壊行為、労働争議に伴う暴力行為などによって生じた損害にも保険金が支払われます。

このうち水災のみ「床上浸水または保険価額の30%以上の損害を受けたものに限る」という条件があります。さらに幅広いリスクを補償するのがオールリスクタイプです。

単一のリスクを個別に補償するタイプよりも、総合的に契約する方が「保険料を安く抑えられる」というメリットもあり、近年主流になりつつあります。

大きな特徴は、従来の総合住宅保険がカバーできなかった細かいリスクに対応していることと、必要な補償と不必要な補償を選択できることです。たとえば、従来補償していなかった外灯やベランダなど付属屋外設備も補償の範囲として選択できます。

また、火災によって住宅に住めなくなったときに適用される宿泊費用や、持出し家具の補償などにも保険金が支払われるタイプもあります。

損害保険会社の各社で独自の商品開発をしているので、加入を検討している場合、複数の損害保険会社の商品を比較することをよいでしょう。

2.火災保険の臨時費用とは何か

火災保険は、住宅や家財の損害分だけでなく火災に伴って発生する諸費用も補償の対象となります。それぞれの条件が満たされれば、支払われるもので、具体的には残存物片付け費用や失火見舞費用などです。

その中に臨時費用と呼ばれるものがあります。火災による損害保険金の30%程度を保険金とは別に支払ってもらえることがあります。なお、限度額は100万円となっています。

たとえば、住宅の一部が焼失して、その被害額が150万円と算定された場合、150万円に加えて臨時費用45万円が支払われることがあります。

臨時費用の支払いによって、実際の損害額を上回る保険金を受け取る場合もありますが、これは認められますので問題ありません。

3.実損額を補償するタイプ

火災保険に限らず、損害保険は損害額を時価額や新価で算定しますが、オールリスクタイプには実際の改修にかかった費用(実損額)を補償するタイプがあります。

たとえば、風災による損害の場合は、通常は損害額20万円以上の損害でないと補償されませんが、オールリスクタイプでは少額でも実損額が補償されることがあります。

店舗用火災保険の種類の特徴

1.店舗用の火災保険とは

火災保険のタイプは対象物件の種類で分けることができます。住宅専用の「住宅物件」、店舗や店舗併用住宅、商業施設、小規模工場などを対象とした「一般物件」、中規模・大規模工場を対象とした「工場物件」、倉庫を対象とした「倉庫物件」です。

住宅や店舗併用住宅は個人が加入する火災保険で、大型店舗、商業施設、工場、倉庫などは法人(企業)が加入する保険といえます。このように分ける理由は、火災によって生じる損害の規模が異なるからです。

店舗併用住宅の場合は、店舗の占める面積が小さくても一般物件に該当するため、店舗総合保険という種類の火災保険に加入しなければなりません。住宅専用の火災保険に加入していても店舗で生じた火災の場合は補償の対象にはなりません。

住宅の一部を改装して自宅兼店舗として営業している場合でも同様で、従来加入していた住宅専用の火災保険から店舗用の火災保険に変更することが必要になります。

2.店舗用火災保険の補償範囲

住宅を対象とした火災保険に住宅火災保険や住宅総合火災保険など補償範囲の異なる種類があるのと同じく、店舗用の火災保険にもいくつかの種類があります。最もベーシックなタイプの普通火災保険は火災、落雷、爆発・破裂、風災、雪災などを補償します。

この普通火災保険よりも補償範囲の広い店舗総合保険は普通火災保険にプラスして建物の外からの物体の落下、飛来、衝突、倒壊、水漏れ、水災、集団的破壊行為、労働争議に伴う暴力行為などを補償対象としています。また、臨時費用もついています。

さらに細かい部分の補償を備えているのがオールリスクタイプです。店舗で起こりうる様々な損害に対応する火災保険です。一般的に実損額を補償するものが多く、そのために保険料も普通火災保険や店舗総合保険よりもやや高くなります。

事業用のみの建物の場合は地震による損害は補償されませんが、店舗兼住宅の場合は地震保険を付帯することができます。また、店舗の場合によくある盗難のリスクについては、特別なルールがあります。

店舗内や住宅として使用している場所に置いてある家財が盗まれた場合は保険金が支払われますが、商品の万引きについては対応していません。商品の万引きや盗難に備えるには、店舗総合保険に加えて盗難保険に加入する必要があります。

3.店舗用火災保険の保険料

店舗は人の出入りが多く、火災のリスクが住宅よりも高いと想定されるため、店舗用の火災保険の保険料は住宅用の火災保険よりもやや高く設定されています。

建物の構造や面積、店舗の種類によっても異なりますが、住宅用の火災保険より概ね1~2割程度高くなるケースが多いです。なお、飲食店は火災が発生するリスクが高いのでさらに高くなります。

また、保険の自由化により、様々な損害保険会社から、新型の火災保険が発売されています。基本的な補償は、住宅の火災、落雷、破裂・爆発、風災、ひょう災、雪災が対象になりますが、店舗併用住宅を補償対象とする商品もあります。

住宅火災保険・住宅総合火災保険の販売を中止して、新型の火災保険のみを販売している損害保険会社もあります。

賃貸住宅用火災保険の種類の特徴

入居者が火災保険に加入する理由

賃貸のアパートやマンションの場合、入居者は契約の期間のみ特定のスペースを借りて住むことになります。賃貸住宅の場合、建物の所有者はあくまでも家主(大家)ですので、建物の火災保険に加入するのは家主です。

そのため、もし入居者が火事を起こして建物を焼失させた場合、保険金は家主に支払われます。したがって、入居者は家財を対象とした火災保険に加入する必要があります。

家財保険に加入しない場合は、火災や天災による家財の損害をすべて自己負担で対応しなければならないためです。

その点、家財保険に加入していれば、隣家から出火した際に消火活動によって自分の部屋が水浸しになったり、もらい火により家財に被害が出た場合にも、家財保険によって保険金を受け取ることができます。

そのほかにも火災だけでなく、階上の部屋の水漏れによる被害にも補償があります。また、近年では家財保険にいくつかの特約がつくようになりました。

たとえば、給排水管修理費用やドアロック交換費用などです。火災や風災などで給排水管が破損したり、ドアの鍵が壊れたりした場合でも契約している入居者に保険金が支払われます。

このように補償の範囲が広くなってきているので、賃貸契約時に加入する家財保険に特約を付ければ、予想しないリスクに対しても備えることができます。

「借家人賠償責任」つきの火災保険

失火時の責任について定めた失火法(失火の責任に関する法律)は、「故意または重過失により火災を発生させた場合以外は、近隣の家を延焼させてしまっても賠償義務は負わなくてもよい」と定めています。

つまり、失火した人に重大な過失がない場合、誤って火事を起こしても出火者は隣家への賠償責任を問われないということです。ただし、隣家に対する責任は負わなくても家主との間には賃貸借契約という契約関係があるため、家主への賠償責任は負わなければなりません。

入居者は契約上、家主に対して契約期間終了後、借りていた部屋を元に戻す原状回復の義務を負っていますが、家主から借りていた部屋を失火によって返すことができなくなったら、債務不履行になります。

家主からすれば入居者に対して賠償責任を追及できるということです。この場合、部屋を元に戻すとなると多額の費用がかかり、入居者に賠償できるだけの貯蓄がないケースが想定されます。

それに備えるために入居者は賃貸契約時に借家人賠償責任保険に加入するようすすめられます。加入は必ずしも強制ではありませんが、家主や不動産会社によっては賃貸契約の条件としているケースがあります。

この保険は単独で契約するものではなく、概ね家財を対象とした火災保険の特約となっているので、セットで加入することになります。

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