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高齢者の一人暮らしの不安に備えた知っておきたい4つの制度とは?

投稿日:2018年11月8日 更新日:

単身者や子のいない夫婦で配偶者に先立たれた人など身寄りのない人は体が不自由になった時の支援や、死後の葬儀や遺産整理などを誰が担ってくれるかを事前に考える必要があります。

たとえば、千葉県の70代男性のAさんは一人暮らしで、兄弟はなく、結婚したこともありません。先日友人の葬儀でふと、自分の葬儀は誰がしてくれるのか不安になりました。

山梨県に住む70代女性のBさんも一人暮らしで妹と甥、姪がいますが、長年連絡を取っておらず簡単には頼れません。体の調子が悪く思うように外出できず、買い物などで困っています。2人とも今後が心配です。

高齢者の一人暮らしの生活において、老後・死後への備えは重要になります。

知っておきたい4つの制度とは

高齢者で一人暮らしの人が知っておきたい制度は4つあります。財産管理等委任契約(任意代理契約)、任意後見契約、死後事務委任契約、公正証書遺言です。

1.財産管理等委任契約(任意代理契約)

財産管理等委任契約とは、特定の人に代理人になってもらい、財産の管理などをお願いする契約(委任契約)です。「任意代理契約」といわれることもあります。

代理人にお願いすることの範囲をあらかじめ決めて書面にしておくことで、その都度委任状を書かなくても、その人に代理してもらうことができます。

財産管理等委任契約を結んでおけば、自分の代わりに代金の受け取りや支払いをお願いしたいときや、その他の事務手続きをお願いしたいときに、スピーディーに用件が片付きます。

2.任意後見契約

自分に十分な判断能力があるうちに、高齢に達し日常生活や財産管理等を切り盛りすることが困難になる場合に備えて、あらかじめ、自分が選んだ代理人(「任意後見人」といいます)に療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約です。

この契約は、公正証書によって行う必要があり、契約締結後は法務局に登記がされます。このような契約を結んでおけば、判断能力が不十分な状態になったときは、家庭裁判所が選任する任意後見監督人の監督の下、任意後見人が任意後見契約で取り決めた事務を行います。

この行為によって、本人の意思に従った適切な保護・支援をすることが可能になります。

3.死後事務委任契約

死後事務委任契約とは自分の死亡後に関することや葬儀やお墓に関することなどを、本人が委任する人(委任者=本人)と受任する人(受任者)と契約で定めておくものです。

特に、身寄りがない方や、身寄りがあっても、死後のことについて「自分の意思を確実に実現してもらいたい」と考える人にとって、有効な方法です。

4.公正証書遺言

公正証書遺言は公証役場に出向いて作成する遺言書のことで、2人の証人が立ち会ったところで作成されるものです。そして、その原本が公証役場に保管される仕組みとなっています。確実に生前の意思に従って、財産の分配などをしてもらうためのものです。

契約に関する注意点

契約は内容や報酬額を決め、依頼したい相手と契約します。弁護士や司法書士、行政書士などの専門家のほか、それ以外の人とも契約できます。任意後見契約と公正証書遺言は公証役場で作成します。

財産管理等委任契約を結ぶ際は、将来認知症などで判断力が落ちることも考えて、任意後見契約もあわせて結びます。また、死後事務委任契約を結ぶ場合は、金銭の支払いなどがしやすいように公正証書遺言を作成し、契約依頼する相手方に遺言執行者になってもらいます。

上記の例において、身内がいないAさんの場合は、まず死後のことを考えて、死後事務委任契約と公正証書遺言が必要になります。体が不自由になったときに備えて、財産管理等委任契約や任意後見契約も考えておきます。

すでに体の調子が悪いBさんは、財産管理等委任契約を考える必要があります。改めて甥や姪に頼んでみるのであれば、将来の遺産配分を考えて、遺言で配慮する必要もあるでしょう。

これらの契約では報酬の支払いが問題になります。任意後見契約では、別に選任される任意後見監督人への報酬も必要です。専門家と契約する場合は、費用によっては引き受けてもらえないケースもあります。

死後の契約についても、遺産から一定の報酬が得られなければ引き受けてくれないかもしれません。契約で一番重要なのは相手選びです。相性もありますから、今後が不安な人は早めに専門家に相談してみましょう。

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