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地震保険の特徴とは?

投稿日:2018年11月21日 更新日:

2011年3月11日に日本での観測史上最大となるM9.0の巨大地震が発生し、大きな被害をもたらした東日本大震災により、「日本は大地震のリスクに常にさらされている国である」ということを再認識した人も多いと思います。

また、この地震をきっかけに地震保険への加入を検討し始めた人も多くいると思います。

火災保険とセットで加入する地震災害専用保険

地震保険は、地震・噴火、地震による津波、これらを原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する地震災害専用の保険です。補償と対象となるのは、居住用の建物と家財で事業用のみの建物は対象外となっています。

地震保険の大きな特徴の1つ目は、火災保険とセットでしか契約できないことが挙げられます。特徴の2つ目は、この保険が「地震保険に関する法律」に基づいて国と民間で共同運営されているという点です。

地震保険は地震による被災者の生活の安定に寄与することを目的として設立された公共性の高い保険なので、国が保険金の一部を補償するしくみになっているのです。

また、地震は同時に多数の人が被害にあう可能性が高い災害なので、一度に多額の保険金の支払いが発生することが予想され、これを全て損害保険会社に負担させると大震災が発生した場合、損害保険会社が破たんする可能性があります。

これを回避するために、民間の損害保険会社が負う保険金の支払責任の一定額以上の損害を政府が補う形をとっています。

3つめの特徴は、法律で定められた保険であるため、どこの損害保険会社で加入しても保険料や保険金の支払額は同じです。なお、保険金には被害に応じて次のような基準があります。

  • 全損の際には、契約金額の100%(時価が上限)
  • 半損の際には、契約金の50%(時価の50%が上限)
  • 一部損の際には、契約金の5%(時価の5%が上限)

ただし、全ての地震被害において、これらの保険金の支払いが保証されているとは限りません。1回の地震で支払われる保険金の総額には上限があって、この上限を超える被害が発生した場合は、各保険加入者に支払われる保険金を減額して調整されます。

4つめの特徴は、保険料が建物の構造(木造、非木造)と地域(1等地から4等地の4区分)によって異なることです。等地とは所在地(都道府県)の区分のことで、地震が起きるリスクが低い地域が1等地、高い地域が4等地です。

つまり、1等地の保険料は高くなるのですが、国の措置により、同じ等地に分類されていても都道府県によっては保険料額が異なる地域もあります。

地震保険の都道府県別付帯率(損害保険料率算出機構調べ)によると、4等地に指定されている東京都や神奈川県は地震保険の加入率が高い傾向にあります。

東日本大震災の被災地である東北地方については、宮城県の地震保険加入率は高いのですが、それ以外の県では地震保険加入率は低かったようです。

増加する加入率と付帯率

日本損害保険協会の発表によると、地震保険の加入率(世帯数)は23%、付帯率(火災保険に地震保険が付帯されている率)は46.5%となっています。(共に2009年度の全国平均)

加入率は地域によって異なり、愛知県34.5%、宮城県32.5%、東京都30%など30%台の地域がある一方で、沖縄県9.5%、島根県11.2%など低い地域もあります。

地震の多い地域や、今後大きな地震が発生する可能性が高いと予測される地域ほど加入率が高くなる傾向にあります。地震保険は、保険料が他の保険に比べて割高に設定されているため、一時期加入率、付帯率とも急増して、毎年上昇しています。

東日本大震災を機にさらに上昇すると予想されています。

国が定める総支払限度額

地震保険は震災のときに保険金が確実に支払われるように国が支援することで成り立っている制度です。ただし、地震による損害が膨大になり、損害保険会社が保険金を支払えなくなる可能性があるため、1回の地震で支払われる保険金総額には限度が設けられています。

これが総支払限度額です。総支払限度額は「地震保険に関する法律」によって定められています。見直しが必要と判断された場合は国会で可決して変更します。2008年4月に5兆円から5兆5,000億円に引き上げられました。

この額は東日本大震災の発生を受け、さらに引き上げられる可能性があります。

火災保険と地震保険の関係

地震保険は火災保険とセットでしか加入できませんが、火災保険だけ入っていて地震保険には加入しないという選択は可能です。しかし、この場合、地震で建物が損壊しても保険金は支払われません。

また、地震を原因とする火災にあっても補償されません。ただし、火災保険に地震火災費用保険金が付帯されている場合は、「保険金額の5%」「300万円」という基準に従って保険金が支払われます。

なお、既に火災保険に加入している人は契約期間の途中からでも加入できます。

火災保険をベースに保険料を決める

地震保険の保険料は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で決めることができます。ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度になります。

なお、制度割引として、建物年割引(10%)、耐震等級割引(10~30%)、免震建物割引(30%)、耐震診断割引(10%)の4種類の割引が設けられており、建物の建築年や耐震性能により特定の割引が適用されます。ただし、これらの割引を重複することはできません。

地震保険の補償内容

補償の対象

居住の用に供する建物および家財

※工場、事務所専用の建物など住居として使用されない建物、価額が30万円を超える通貨、小切手・株券などの有価証券、預金証書、印紙、切手、貴金属・宝石、自動車などは地震保険の補償対象外

補償金額

火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で地震保険の金額を設定する。ただし、建物・家財とも以下のように上限がある。

・建物:5,000万円

・家財:1,000万円

火災保険とは違う特約

火災保険では時価で契約すると保険料にムダが生じるため、「新価」で保険金が支払われるように設定できます。これは価額協定特約と呼ばれています。しかし、地震保険には、この価額協定特約はなく、全損しても時価までの保険金しか支払われません。

新築よりも築年数の長い建物のほうが倒壊の可能性が高いため、地震に備えるニーズが高くなりますが、古い建物は時価が低いために地震保険の保険金も少なくなります。

火災保険にオプションをつけるのは自由

地震保険は法律で規定されている制度なので、損害保険会社が独自に開発することはできませんが、火災保険にオプションをつけて地震に際の補償を充実させることは可能です。たとえば、地震による火災に備えるオプションをつけた保険です。

通常の火災保険の地震火災費用保険では、火災保険金の5%か300万円のいずれか小さいほうの額が支払われますが、それを火災保険と同額の保険金が支払われる地震危険等担保特約もあります。

また、火災保険に入ってなくても加入できる地震費用保険を取り扱う少額短期保険業者(保険金の上限が限定されて契約期間の短いものだけを販売する保険会社)もあります。

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