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二次相続は想定外の問題が発生しやすい

投稿日:2018年12月8日 更新日:

遺産相続をすると税金がかかります。遺産相続を考える際は、二次相続までを考慮した上で、トータルで結果を考えることが大切です。二次相続とは、最初の相続(一次相続)で残された配偶者が亡くなったときに起こる二回目の相続のことをいいます。

二次相続は一次相続と違い、 配偶者控除を利用できないので多くの相続税を払う必要があります。相続の非常に複雑で難しい点は、一次相続分だけを考えていたのでは思わぬ落とし穴が存在するという点です。

「親の財産といえば自宅がほとんど」の相続は悲劇を生む

家族の仲が良いから、自分の死後の相続で揉めることはないと思っていても、実際に揉めるケースは数多くあります。代表的な例を紹介します。

神奈川県の50代男性のAさんは、妻子と母親と暮らしていました。姉と弟とは仲がよく、以前父親が亡くなった時の相続も円満に終わりました。

母親は子どもたちの仲が良く、自身も大きな財産もないため、遺言書など作らなくても良いと思い、特に相続の準備はしていませんでした。年老いた母親は認知症になり、施設の空きがなく自宅介護になりました。

その介護はAさん家族が行い、数年後、母親は亡くなり、Aさんは遺産について姉と弟と話し合うことになりました。Aさんは、同居して母親の介護をしていたので、自宅は自分が相続するつもりでした。

ところが、すんなりとは進みませんでした。母親の預貯金がそれほど残ってされていなかったため、姉はAさんが母親から金銭援助を受けたはずだといい、弟も同調しました。姉と弟は遺産をきちんと分けるため、自宅を得るべきだと主張したのです。

二次相続の悲劇はなぜ起こるのか?

相続で揉めることが多いのは二次相続です。Aさんのケースでは、最初に亡くなった父親の相続が一次相続、次に亡くなった母親の相続が二次相続となります。

父親が亡くなり母親が残るという場合(一次相続)は、相続税の配偶者控除(配偶者の法定相続分相当額か、1億6000万円のうち多い金額までは相続税がかからない制度)が使えます。

このため、遺産総額が1億6000万円を超えないケースでは、母親が遺産の100%を相続しても相続税はかかりません。一次相続では残った老親を案じ、大半の遺産をその親に相続させるケースがほとんどです。

中には預貯金は親にし、不動産などは相続人全員の共有名義にすることもあります。ところが二次相続では親がいないため、兄弟で話し合うことになります。このとき自分が親の介護を負担していた、自分だけ損をしてきたなど、様々な感情が出てくることがあります。

さらに兄弟の配偶者も加わり、相続がスムーズに進まなくなる場合があります。別のケースで兄弟がいない場合でも遺産相続が自宅だけで預貯金がほとんどないケースで相続税が払えない悲劇が起こります。

これは二次相続ではその配偶者控除が使えないためです。特に資産家とはいえないサラリーマン家庭でも、二次相続で相続税の課税対象になるケースが相次いでいます。

二次相続の悲劇を回避するためにはどうすればよいか?

こうした事態を防ぐためにも、親はきちんと準備しておく必要があります。介護になった時に負担をかける子の感情はどうか、平等に分けにくい財産は感情次第で揉めないかなど先のことを考えておきましょう。

たとえば、親の介護を遺産分割に反映させるためにはどうすればよいでしょうか。Aさんの妻が最期まで親の面倒を見たとしても、親の介護は財産を増やすことに貢献していないため、残念ながら遺産分割の際の「寄与分」として認められません。

姉や弟が遺産を要求すれば同じ額の遺産を受け取れます。面倒を見てくれたお嫁さんに報いるための最もよい方法は、養子縁組をすることです。子どもの配偶者はそれだけでは相続人にはなれませんが、養子縁組をすることで、姉や弟と平等の相続人になれます。

このようにすることでAさん家族が介護した貢献分は遺産分割に反映できます。

また、葬儀や法要、税務申告、遺産整理などにかかる費用を誰が負担するのかも考えなければなりません。遺産から差し引けばよいのではないかと考えがちですが、遺産分割は死亡時の財産を分けるもので、死亡に関わる費用を差し引いた残りを分けるものではありません。

たとえば、一旦長男が立て替え、結局、長男の負担になってしまうケースもあります。親が遺産から差し引いてもらいたいなら、子ども全員にその旨を伝えたり、死亡保険金を葬儀費に充ててもらったりすることも必要になります。

相続では、現状だけではなく、将来起こる出来事、子の感情や死後の費用にも目を向ける必要があります。子どもたちに話をする、遺言書を作る、生前贈与する、保険金を活用するなど、対策は様々です。

不安であれば相続の専門家に相談するのも一案です。思わぬ問題が明らかになることもあります。

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