資格ブームに衰える気配はないとはいえ、1,000以上ある資格の中から有望なものを選び出すのは至難の業です。
資格を取ってゴールというものではなく、その資格を活かせる仕事がなければ稼ぎには繋がりません。
他人と差別化できる稼げる資格は何なのか。
ニーズがあり、あまり費用や時間をかけずに取得できるもので、実際に資格を取得することで稼ぐことができ、将来性があり、今後も有望な資格をピックアップしました。
プロジェクトマネージャ試験(PM)
「プロジェクトマネージャ試験(PM)は、エンジニアの中でも情報システムの開発、運営、管理を総合的に監督する能力を認定します。
「プロマネ」「PM」と略されることもあります。
離職率の高いIT企業では、慢性的なエンジニア不足が問題になっています。
他の業種に比べ、短期間で職場を変えることが多いエンジニアの転職は横滑りに近いのが現状で、人間関係は変わっても給与待遇はそれほど変わらないということが多いものです。
その中でPM資格を持っている人を優遇する企業は多く、収入アップやより良い条件での転職が期待できます。
難易度はかなり高く、独学での合格は困難かもしれません。
ただ、それだけ取得者数が少なく、業界からの需要が高いともいえます。
システム監査技術者試験(AU)
システム監査技術者は、導入したシステムが正常に作動しているか、企業に貢献しているかということをチェックする仕事で、情報システムを導入している企業、コンサルティング会社、監査法人など幅広いニーズがあります。
外部スタッフとしていくつかの企業を掛け持ちしたり、しばらく企業に在籍し、人脈や顧客を得ることができれば自分の事務所を開業することも可能です。
試験ではエンジニアとしての技術だけでなく、システムの価値を多角的に判断し、問題を解決する経営者としての能力、監査報告書などの書類作成能力、分かりやすく問題点を指摘するコミュニケーション能力も総合的に試されることになります。
そのため、IT系資格の中では難易度はかなり高くなります。
情報処理安全確保支援士試験(SC)
情報セキュリティの開発や維持の中でシステムの安全性をチェックする仕事です。
常にウイルスソフトが更新され、システムの安全性にどの企業も神経質になっている現在、IT系企業だけでなく一般企業の関連部署からの求人も多く、そのほとんどが好待遇で迎えられています。
合格にはプログラミング、セキュリティ、ソフトウェア、ハードウェアなど、コンピュータシステムの全てに精通していることが必要で、IT系の資格の中では上位資格として位置付けられています。
また、高度情報処理試験の中で唯一、年2回受けることができます。
これは大きなメリットで、仮に試験に合格できなくても、半年後に再度チャレンジできることはモチベーションの維持にもかなり影響します。
応用情報技術者試験(AP)
基本的に数年以上の経験を積んだシステムエンジニアやプログラマーを対象とした上位資格です。
有資格者には役職手当を出す企業もあるため、自分の勤めている会社に手当があるなら取得することで収入アップが狙えます。
もし、現在の待遇に不満があって転職を考えているなら、まず資格を取ってから転職活動をするとより有利な条件の求人が見つかるはずです。
また、合格者には弁理士や中小企業診断士など他の資格試験の一部科目の免除などの優遇措置が取られています。
初心者でも受験できますが、難易度が高く独学ですぐに合格できるものではありません。
いきなり応用情報技術者試験から始めるのではなく、基本情報技術者試験からステップアップしていくのが一般的です。
基本情報技術者試験(FE)
これからエンジニアやプログラマーとして仕事をする、IT業界で働きたいという人は、まず基本情報技術者試験を取得することをオススメします。
難易度はそれほど高くなく、独学でも半年程度の準備期間があれば合格することが可能です。
また、システムやセキュリティ、アルゴリズムなど、プログラミングの基本知識を幅広く勉強することができるので、その後の上位資格へのステップアップもスムーズになります。
ただ、例外もありますが基本情報技術者の資格に対して高額な手当を出す企業はほとんどありません。
ほとんどの人がこの資格をもとに就職し、キャリアを積みながら上位資格へステップアップしていきます。
どちらかといえば、新卒採用向けの資格といえます。
Android技術者認定試験
スマホ、タブレットOSのAndroid端末に関する知識やアプリケーションの開発スキルを判定します。
現在、日本でのスマホOSのシェアを伸ばすためのアプリ開発と、それに携わる技術者の需要は常にあります。
また、世界では日本以上にAndroidのシェア率が高く、過半数を超える国がほとんどです。
この資格は世界160カ国以上で実施されている国際資格で、英語系の資格と併せれば海外企業への就職・転職も有利になるかもしれません。
資格には「ベーシック」「プロフェッショナル」の2つの等級がありますが、順を追ってチャレンジするのがオススメです。
過去問題をチェックしながら実際にアプリを作ってみるという実践方式で合格が狙えます。
システムアーキテクト試験(SA)
アーキテクトとは、建築家や設計者と意味です。
最近、IT業界での需要が多いシステムアーキテクトとは、情報システムやソフトウエアの設計、管理などを総合的行う役職のことです。
一般的にエンジニアよりも年収が高いことが普通で、企業によっては年収1,000万円近くの報酬を得られることもあります。
また、フリーランスでプロジェクトの設計や管理に関われば、複数の企業から報酬を受け取ることもできます。
この試験は技術だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力を問う問題が多く出題され、難易度は高いものになっています。
合格にはIT機器の知識や実務のことだけでなく、様々な業種や経営についても学ぶ必要があります。
オラクルマスター
データベース管理者の認定試験の中で、世界的に最も有名な資格です。
ブロンズからプラチナまで4つの難易度に合わせた等級がありますが、必ずブロンドから順に取得する必要があり、飛び級はできません。
ITサービスマネージャ試験(SM)
ITサービスの品質とコスト効率を継続的に向上させる能力を測る資格です。
管理者としてIT全般に対する知識が要求されますが、現時点ではエンジニアやプログラマーなどの技術職の方が需要が多いようです。
マイクロソフト認定プログラム(MCP)
コンピュータの中でもマイクロソフト製品に対するスキルを認定する資格です。
ここ数年で受験者や資格保有者が増えて、認められつつありますが、まだ、マイナーな存在です。
セカンドライセンスとして考えた方が良さそうです。
Linux(リナックス)技術者認定試験(LPIC)
ウェブサーバーとしてシェアを伸ばしているLinuxエンジニアとしての能力を証明します。
レベル1~3までの等級がありますが、シェアが拡大する一方で専門的な技術者が不足しているため、下位のレベル1でも需要が多くあります。
ITストラテジスト試験(ST)
ITの専門知識を持ち、なおかつ企業の経営戦略を実現できるスペシャリスト。
ITコンサルタントやビジネスを成功に導くCIOを目指す人向けの資格で、IT業界でもかなりの経験を積んだ人が受験する資格と位置付けられています。
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