めまいの種類とは? その原因と症状の違いとは?

生活全般

ちょっと下を向いたとき、寝返りをうったとき、ベッドから起き上がった瞬間など、ふとした時にふらっと、あるいはふわふわとめまいが起こることがありますか。めまいを感じて病院に行く人は多いのですが、めまいといっても実はいろいろな種類のめまいがあります。

頭痛などと同様、日常生活のなかで体験することの多い症状です。めまいの中でも種類によって原因が大きく違うので、いまある症状がどの「めまい」なのかを区別することが大切です。

「めまい」とは?

「めまい」とは、「グルグル回っているように感じる(回転性めまい)」「フワフワしたところを歩いているように感じる」「頭がグラグラする」といった症状の総称です。その原因はいろいろあります。

自分もしくは周囲が回っているように感じる回転性めまいを起こす代表的な病気に「メニエール病」があります。内耳(ないじ)の膨張によって起こり、耳鳴りや難聴などの耳の症状を伴います。

内耳は、バランス感覚を調整する機能を持つため、内耳の異常が「めまい」という症状を引き起こすことがあります。

めまいの種類

めまいには大きく分けて「末梢性めまい」と「中枢性めまい」がありますが、「頸性めまい」も分類のひとつとしている場合もあります。

1.末梢性(耳性)めまい

下を向いた時のめまいの原因として、まず考えられるのは良性発作性頭位めまい症です。症状として、このめまいはごく短時間(数秒~数十秒)のめまいを起こすことで突然起こるのではなく下を向いたときなど頭の位置を変えたときに誘発されるめまいです。

一般的には吐き気やおう吐といった症状や聞こえない、耳鳴りといった蝸牛症状を伴う事はありません。めまいの病気の中では一番多いめまいです。

さらに下を向いた時以外にもパソコンやスマホ画面を見られないくらい、ぐるぐると視界が回るようなめまいがして何度も繰り返し発症するような重い症状がある場合はメニエール病の疑いがあります。

めまいといえば、良性発作性頭位めまい症(耳石が三半規管へ落ちてめまいが起こる)やメニエール病(めまいや吐き気の発作がくり返し起こる病気で一般的には耳鳴りや難聴を伴う)といった診断が下されるのが一般的です。

2.中枢性めまい

ふらつき、失神感、不快感、歩行障害などの症状があり、めまいの症状は軽くても脳卒中、脳腫瘍など、致命的な脳疾患が原因となっている場合もありますので注意が必要です。

中枢性めまいの特徴は、めまい以外の神経症候(構音障害や複視など)を伴う視覚や深部感覚による補正が効きづらいという点に要約されます。

主に脳幹・小脳の障害(神経内科、脳神経外科)によるもので、めまいは軽く、フワフワ浮いた感じ、ふらつき、動揺感などがあります。舌のもつれ、物が二重に見える、意識消失、強い頭痛などの症状があります。

頭の位置を変えてもめまいの程度は変わらず、目をあいていても体のバランスがとりにくくなります。症状の自然軽快は少なく、長引くことがあります。

3.頸性めまい

首がこると首の筋肉の緊張が強くなり、周囲の血管や自律神経(内臓や血管の働きを調整する神経)を圧迫し刺激します。自律神経が圧迫されるとそのバランスがくずれ、首の血流が滞ります。

これにより耳への血流も悪くなり、平衡感覚をつかさどる三半規管が正常に働かなくなり、めまいを引き起こす可能性があります。

良性発作性頭位めまい症とは?

良性発作性頭位めまい症はめまいの中ではよくみられる病気で頭の位置が変化して内耳にある後半規管が刺激されると反応して、短時間の回転性めまい(動いたり回転したりしているような感覚)が生じます。

症状としては頭を動かしたときに自分自身か周囲のものが動いたり回転したりしているかのような感覚が短時間生じます。(長くても1分程度)また、吐き気を感じて嘔吐することもあり、眼球の動きが異常になることもあります。

診断は症状の内容と症状が起こる状況および身体診察の結果に基づいて下され、ほとんどの場合は、エプリー法を1回または2回行うことで症状が和らぎます。回転性めまいがある人は自分自身か周囲のもの、またはその両方が動いたり回転したりしているように感じます。

大半の患者はこの不快な感覚を「めまい」と表現しますがふらつきなど他の感覚に対しても患者が「めまい」という言葉を使うことがよくあります。

「頭位性」めまいとは、たとえば、ベッドに横になったときや首を回したときなど、頭の位置を変えたときに回転性めまいが起こるという意味です。「良性」とは、この病気が危険なものではないという意味です。

良性発作性頭位めまい症は、年齢が高いほど発生しやすく、平衡感覚に大きな影響が起こることがあり、転倒やケガに至る場合があります。

メニエール病とは?

メニエール病の原因は内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)です。その原因はストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられています。内耳には聞こえの細胞が詰まっている蝸牛と平衡機能を司る三半規管と耳石器があります。

この両方もしくはどちらか一方が強く水ぶくれになるかにより症状が異なります。蝸牛が強く水ぶくれになれば、めまいは感じず難聴だけを自覚します。水ぶくれが弱ければ難聴を自覚せず、「耳が詰まった感じ」や「耳鳴り」、「音が響く感じ」のみ出現する場合もあります。

一方、三半規管・耳石器が強く水ぶくれになれば、難聴や「耳が詰まった感じ」などは感じず、めまいのみを自覚します。めまいの強さも「グルグル回転する激しい」ものから、「フワフワ雲の上を歩いている感じ」のものまでさまざまです。

めまいの持続時間は10分程度から数時間程度であることが多くあります。

めまいが起きたら

めまいが起きたら、安静にしてしばらく様子を見ましょう。症状がおさまらなかったり、気が遠くなったり、頭痛がしてきたり、物が二重に見えたりしてきたら、早めにかかりつけ医の診察を受けてください。

耳鼻咽喉科を受診すべきか神経内科や脳神経外科なのかなどを判断してもらいましょう。特に抹消性めまいの発作のときに自動車に乗ると内耳に刺激が加わって症状が悪化するので注意が必要です。症状が落ち着いてから病院に行きましょう。

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