日本には、春夏秋冬という四季のほかに、季節を表す言葉がたくさんあります。「立冬」(りっとう)という言葉を聞いたことはありますか。「冬」という文字が入っていますが、時期的に冬と呼ぶには少し早い気がします。
季節の移り変わりを細かく感じる日本人ならではの風習といえるかも知れませんが、立春や立秋のように他の季節を表す言葉も含めて季節を少し先取りしているように感じませんか。立冬の意味・由来・食べ物などについてまとめました。
2018年の立冬はいつ?
2018年の立冬は11月7日です。ちなみに前後3年は以下のようになります。
年 | 立冬 |
---|---|
2015年 | 11月8日 |
2016年 | 11月7日 |
2017年 | 11月7日 |
2018年 | 11月7日 |
2019年 | 11月8日 |
2020年 | 11月7日 |
2021年 | 11月7日 |
立冬の意味や由来とは?
立冬は一年を24等分したものに季節の名前をつけた二十四節気の一つです。冬が立つと書くことから冬の気配が感じられる時期を指し、秋分と冬至の中間頃に位置し、暦の上では立冬から立春の前日までが「冬」とされています。
また、天文学上、立冬は「太陽が黄径225度に達した時」と定められているので、地球には自転・公転によるズレがあることから必ずしも毎年決まった日ではありません。
二十四節気とは
二十四節気は、1年を24等分して季節を表します。2月の立春からはじまり、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨、立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降、立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒と続きます。
この二十四節気は中国で作られたもので日本に伝わって現在も使われています。中国の季節感での二十四節気なので、日本の季節感と比べると若干違うと感じる人が多いことでしょう。
また、日付が固定されていない理由は太陽が地球の周りを回る筋道である黄道を15°で分けており、春分は太陽黄経0°、夏至は90°、秋分は180°、冬至は270°を通過する日付としています。
しかし、1年が365日ピッタリではなく、1年=365.242194日となっており、4年に1回「うるう年」で調整したりして、年によって通過する日が前後するため、二十四節気の日付が固定されていないのです。
立冬に食べるものとは?
四季を楽しむ日本ではその季節の行事に合わせた食べ物、行事食があります。たとえば、土用の丑の日のうなぎみたいなものです。立冬の時には特にこれを食べるというものはないようです。
中国の言葉で「立冬補冬、補嘴空」という言葉があります。これは立冬時、栄養を補給という意味で冬の時期に育った作物を食べることによって栄養を補給するということです。簡単に言うと、旬なものを食べましょうということになります。
日本でも「旬の食べ物を食べると体によい」という考え方があります。旬の食べ物は栄養があり美味しく、値段も安いです。たとえば、しょうが、ねぎ、かぶ、大根、ごぼう、などの根菜類やカボチャなど体を温めるものを食べると良いようです。
立冬の頃から寒暖差も激しくなり風邪もひきやすくなってきますので、体を温めてくれる食べ物は元気に過ごすポイントかもしれません。
立冬の時期に行われるイベントは?
立冬の日に全国的な行事は特にありませんが多くのイベントや行事が開催されています。立冬の日を含むこの前後の時期にある行事についていくつか紹介します。
1.御火焚祭
立冬の日に京都府の貴船神社で行われる「御火焚祭」が有名です。神様の生まれ変わり・蘇りの神事とされ、斎場には全国の崇敬者より奉納された約1万本の護摩木を御神火で焚き上げます。その様子は、燃え盛る炎からの貴船大神御出現の故事を再現しているとされます。
2.亥の子祭り
主として西日本に伝わっているお祭りで、元々多産であるイノシシ(亥)にあやかったものといわれます。石に数本の縄をつけ、唄を歌いながらそれを地面に搗き、商売繁盛や子孫繁栄を祈ります。
11月の最初の亥の日に行われるとされますが、広島ではその付近の日曜日にすることが多いようです。広島では「亥の子 亥の子 亥の子餅搗いて 繁盛せぇ 繁盛せぇ」と歌いますが、地方によって異なる唄が多数あります。
3.立冬湯立神楽祭
兵庫県淡路市多賀の伊奘諾神宮(いざなぎじんぐう)では、立冬の日は「立冬湯立神楽祭」が執り行われます。白装束に身を包んだ巫女さんが、釜の湯を四方に散らして邪気を払い、無病息災を願うという行事です。
古代の占いで、熱湯に手を入れて皮膚がただれるかどうかで正邪を決める「探湯」が起源とされています。ちなみに立冬以外にも毎年季節の立つ日に「湯立神楽祭」が行われます。季節が立つ日とは、立春・立夏・立秋・立冬の4日のことです。
4.七五三
通常11月15日といわれますが、それに近い土日に行われることも多くなりました。この歳まで元気で成長したことを神様に感謝すると同時に、これからの成長を祈ります。
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