低酸素脳症はどんな病気?原因、症状、後遺症や治療方法も知っておこう!

生活全般

低酸素脳症は脳に酸素が届かなくなることによって起きてしまう病気です。脳は身体全体で使う酸素量の約1/4を消費しています。何かの原因で脳への酸素供給が途絶えてしまうと脳の活動に支障が出るばかりか、脳細胞が死んでしまいます。

脳は「酸素がない」という状態に非常に弱いので、その症状としては脳に関するものが非常に多く、長く続けば死に至ってしまうこともあります。治療したとしても後遺症が出るケースもあります。

低酸素脳症とは?

循環不全または呼吸不全などにより,十分な酸素供給ができなくなり脳に障害をきたした病態を低酸素脳症といいます。

低酸素脳症には組織への血流量の低下(虚血)と、血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いため、低酸素性虚血性脳症とも呼ばれます。

低酸素脳症は酸素が供給不足になる原因によっていくつかに分類されます。

1.血液循環の異常

心臓が停止すると脳に血液を送ることができません。心臓が停止することにより脳への酸素供給が途絶えると意識は数秒以内に消失し、3‐5分以上の心停止では仮に自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じます。

2.呼吸器系の障害

気道閉塞・喘息発作・窒息・溺れるなど、呼吸器系に障害が起きて、酸素を十分吸入できないと脳に送られる血液中の酸素量が著しく低下します。頭をぶつけたりして脳に損傷を受けた時も、血流が途絶えて酸素不足になります。

3.重度の貧血

呼吸により肺に取りこまれた酸素は肺から血液中に入ります。酸素は赤血球のヘモグロビン(血色素)と結びついて脳に送られます。酸素の供給量は赤血球中のヘモグロビンの量に比例します。

ところが、重度の貧血状態ではヘモグロビン量が正常値よりもはるかに少なくなっていますから、脳に運ばれる酸素量も低下します。すると脳が必要とする酸素が不足して、脳全体に障害が起きます。

4.一酸化炭素中毒

一酸化炭素は空気中にわずか0.000012%しか存在しませんが、酸素の200倍の速さでヘモグロビンと結合する性質があります。一酸化炭素中毒になると呼吸によって肺に取り込まれた酸素よりも早くヘモグロビンと結びつきます。

このために酸素が脳に運ばれなくなるため、脳への酸素供給が著しく低下して最悪の場合、死に至ります。

5.シアン化物など毒物による呼吸障害

シアン化物(青酸カリなど)には激しい毒性があり、血液中に入るとヘモグロビンと結びつき、シアン化ヘモグロビンとなって酸素の運搬を阻止します。呼吸中枢を侵して呼吸麻痺を起こさせるので酸素を脳に供給できなくなります。

6.胎児性低酸素脳症

胎児や新生児に発症する低酸素脳症を「胎児低酸素脳症」といいます。

  • 染色体異常
  • 妊娠中に風疹にかかる
  • 妊娠中に母親が服用した薬物やタバコなどの毒物
  • 分娩時の管理不備による事故

などによって、胎児への酸素供給不足になると新生児に低酸素脳症が発症します。後遺症があります。

5.その他

低血糖症や原因不明の急激な酸素不足により低酸素脳症が起きることがあります。

低酸素脳症の症状と後遺症

低酸素脳症を起こした場合、数秒間で意識がなくなります。

1.軽度の場合

脳への酸素供給不足が3~5分以内に回復した場合は一時的に注意力、記憶力や判断力の低下や運動障害など軽い障害が起こります。時間をかければ回復できますし、後遺症も改善できます。

(1)注意力の低下

低酸素脳症になると意識を回復した後、一時的に興味や関心の薄い物事に対して、注意力が散漫になります。

(2)記憶力・記憶力の低下

記憶があいまいになったり、なかなか思い出せなくなる症状が現れます。判断力の低下は記憶力低下にともなって現れます。判断力が低下するとあいまいな抽象的な表現を理解しにくくなったり、物事の良し悪しを決めるのに迷ったりします。

(3)運動機能の低下

身体のそれぞれの動きをまとめることが難しくなります。たとえば、自転車に乗る・楽器を奏でる・ラジオ体操をするなどの全身運動がぎごちなくなります。うまくできないこともあります。箸を使ったり、ボタンをかけたりなど手指の動きが不器用になります。

2.重度の場合

脳への酸素供給不足が5分以上続くと、脳の弱い部分から順々に不可逆的なダメージを受けていきます。特に「大脳皮質」が侵されやすく、層状壊死が起こることがあります。さらに、「大脳基底核」・「内側側頭葉(海馬)」・「視床」・「脳幹」が障害を受けます。

  • 「大脳皮質」には神経細胞が層状に整然と並んでいます。知覚・記憶・推理・思考・随意運動を司ります。
  • 「大脳基底核」は、「脳幹」、「視床」と「大脳皮質」を結ぶ神経核の集まりです。感情・認知・動機づけ・学習・運動調節などの働きを司ります。
  • 「内側側頭葉(海馬)」は記憶の貯蔵庫であり、空間学習能力に関わります。
  • 「視床」は間脳の一部で、聴覚・視覚・体制感覚などを大脳新皮質に中継します。
  • 「脳幹」は生命を維持する働きを司ります。

このように重要な働きを担う脳の部位が障害され、壊死したりすると深刻な症状が発現し、後遺症が長く残ります。しかし、脳は時間をかけて回復する力があります。昏睡状態のような深刻な症状が出ても、脳の機能回復の可能性があります。

(1)意識障害と昏睡状態

脳への酸素供給が5分以上滞ると、意識障害や昏睡状態に陥ります。

(2)認知症

記憶障害や判断力障害が起きます。見当識障害が起きると時間、場所や人の顔がわからなくなります。

(3)運動障害

手足が震えるパーキンソン病のような状態や痙攣が起きたりします。歩行するときによろめいたり、めまいが生じたりします。また、言葉がもつれて話しにくくなります。

(4)心臓や呼吸の停止

脳幹が重度な損傷を受けた場合、突然、心臓停止や呼吸停止が起こることがあります。

(5)脳死

酸素供給が滞ると、大脳から脳幹まで不可逆的で回復不可能なダメージを受け、機能が限りなく低下します。最悪、脳の全機能が回復できない重度な機能低下を起こした状態の「脳死」に至ります。

低酸素脳症の治療

低酸素脳症の治療は、一刻も早く酸素不足を解消するためにできるだけ早く脳に酸素を供給することです。心臓や呼吸が停止している場合は、心拍蘇生を行います。必要に応じてAEDの使用も検討してください。心拍が再開されれば、呼吸が回復し、脳への酸素供給もできるようになります。

1.低体温療法

心肺停止が起きると心臓蘇生などで心臓が動き出した時に、低酸素脳症(蘇生後脳症)と呼ばれる高熱を発し、高血糖になる症状が多くみられるようです。

高熱・高血糖は脳症を悪化させるので、一時的に体温を下げる「低体温療法」を行います。低体温にして脳の機能を低下させ、蘇生後脳症が進行するのを防ぎます。

2.ブドウ糖投与

低酸素脳症で生まれた新生児は、ブドウ糖を維持する働き弱いため、低血糖に陥り、低酸素脳症を悪化させます。ブドウ糖を投与することで体内のバランスを保持するようにします。

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