箸を持つ・ペンを持つ・ドアノブをまわすなど、何気ない動作でも親指に痛みがあると苦痛となります。
手を動かすたびに親指あたりに激痛が走り、痛むところがどんどん腫れてきて、毎日が痛みとの戦いとなると病院に行くかどうか迷うことになります。
病院に行く前に考えられる原因を知っておいた方がよいと思いますので参考までに紹介します。
母指(ぼし)CM関節症
母指CM関節は親指の付け根の下の方に位置します。
母子CM関節症では親指に力がかかる動作をする際に手首の母指の付け根付近に痛みが生じます。
手根骨と呼ばれる手首を構成する骨の列と指を構成する中手骨との間にはCM関節があります。
親指のCM関節は可動域が広く、「握る」「つまむ」などの動作により大きな負担がかかります。
このCM関節が変形性関節症を起こしたものが母指CM関節症です。
関節の隙間が狭くなり、関節症変化による骨硬化が起こり、骨棘が形成されていきます。
軽度で痛みが起こる場合もありますし、重度になっているにもかかわらずほとんど痛みがない場合もあるので注意が必要です。
親指をよく使う人や、外傷や、加齢により変形性関節症を起こした場合などに軟骨がすり減って発症します。
母指CM関節症の場合、治療は固定療法になります。専用の装具で固定することで1~2ヶ月程度で治ります。
腱鞘炎(けんしょうえん)
「腱鞘炎」はもともとテニスなどのスポーツをする人、楽器を演奏する人、作家で本を書くなど、普段指や手をよく使う人にみられる症状でした。
ところがパソコンの普及で職業や年齢などにかかわらず、一般の人にも急増しており、「新現代病」の一つといわれています。
手を酷使することにより腱鞘炎を起こし、親指の付け根あたりに痛みが出る場合があります。
手から肩にかけての間で炎症を起こして腱鞘炎になった場合でも、その痛みが手首や親指の付け根あたりに生じることがあります。
腱鞘炎の第一の原因は同じ作業の繰り返しによる「手の使い過ぎ」ですが、悪化すると、「持つ」「押す」「つまむ」「ひねる」など、手指を動かす全ての動作に痛みを感じ、箸が持てない、字が書けないほど重症化するケースも多く完治にも時間がかかる病気です。
腱鞘炎の治療の基本は「安静」にすることと「薬」での治療です。
重症化した場合は、「手術」をすることもあります。
1.安静
腱鞘炎は手や指の使いすぎが原因であるため、できるだけ患部を使わずに安静にすることが基本になります。
腱鞘炎のある側の手を使う場合は、適度に休憩を取ることが大切です。
2.薬物療法
薬には、塗り薬・貼り薬・のみ薬の「痛み止め」があり、痛みが強い場合には、炎症が生じている腱鞘の中に「ステロイド薬」を直接注射します。
ステロイドを打つ際には、「局所麻酔薬」も混ぜて一緒に注射します。
注射から2~3週間以内に症状が改善し、注射の効果は3か月~半年ほど持続することが多くみられます。
3.手術
局所麻酔をして、腫れて厚くなった腱鞘を切って開きます。
切った腱鞘はそのままですが、ほかにも腱鞘があるので手の機能には問題ありません。
所要時間は10~20分程度です。
ドケルパン病
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)とは親指を使いすぎることによって起こる親指側の手首におこった腱鞘炎です。
痛みは物を摘んだり、握ったりすると大きくなります。
安静にしておくことが重要ですが、日常生活の中で親指を使わずに過ごすのは非常に困難です。
治療方法は、まずは局所の安静で次に湿布です。
手首を使わないよう制限するための装具を使いますが、それだけでは痛みがとれない場合などには腱鞘(けんしょう)内注射を行います。
注射をすればその場で痛みが軽くなりますが、人によっては数週間ないし数ヶ月、弱い痛みが継続してしまうことがあります。
その場合には装具や痛み止めなどと組み合わせて、痛みが起きにくいように処置をします。
それでも症状の改善が見られない場合には手術になります。
ばね指
ばね指は指に起きる腱鞘(けんしょう)炎です。
指の腱鞘が何らかの原因で浮腫んで厚くなったり、硬くなったりすると腱鞘とその中を通っている屈筋腱(くっきんけん)がこすれ合い、炎症のために腫れてきます。
このため、曲がった指を伸ばそうとするときに、ばねのようにカクンと急に戻ります。
指の曲げ伸ばしが困難になり、腱鞘がはれて痛みを生じます。
親指と中指によく起こります。
このような状態を「ばね指」といいます。
パソコンのキーボードでの入力作業や楽器の演奏などで指をよく使う人や中高年の女性に多く見られます。
治療方法はばね指の場合も安静にすることです。
整形外科を受診し、ばね指と診断されたら専用の装具で固定してもらいましょう。
痛みが強い場合はステロイド注射が有効です。
改善が見られない場合は切開手術を行うこともあります。
少々痛みがとれても安静にしないと悪化してしまいますので注意しましょう。
突き指
「突き指」とは指の関節周辺のケガの総称です。
多くはバスケットボールやバレーボールなどをしていて、指先にボールが当たったときに起こります。
突き指は単なる俗称なので正確な医学用語ではありません。
そして、突き指といっても実際にはさまざまな外傷が含まれます。
単なる打撲や捻挫などの軽傷のケースが多いですが、脱臼や靭帯損傷、軟骨損傷、腱損傷、骨折などの重傷のケースもありますので注意が必要です。
応急処置としてはできるだけ早急に患部を冷やして安静を保つことが大切です。
そして、副木を添えて圧迫した状態で固定し、内出血を防ぐために指を心臓より高く上げて保持するようにします。
なお、昔は指を引っ張るという民間療法もありましたが、実は逆効果です。
指を固定することで靭帯の修復を早めます。
突き指は誰でも一度は経験したことがあるくらいありふれているため、軽く考えてしまいますが靭帯断裂や骨折などの重大な損傷が隠れている場合があります。
そのまま放置すると最悪の場合、指が変形し、曲がりにくくなるなどの機能障害が残ってしまうことがあります。
下記のような状態のときは必ず整形外科を受診するようにしましょう。
- 指が明らかに変形している
- 指の関節がパンパンに腫れている(通常時の1.5倍以上が目安)
- 指の関節を動かそうとすると激痛が走る
- 指の関節を自力で曲げられない(もしくは伸ばせない)
- 突き指の痛みがいつまでもとれない
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手首の痛みは数年間悩まされている人もいるほど、慢性化するとなかなか治りにくい側面も持ち合わせています。
手首の痛みの特徴としては、「使いすぎ」「酷使し過ぎ」「無理な負担」という動作が発端となる傾向にあり、手首や親指の付け根に痛みを抱えることが多いようです。
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