ビジネスでは、メールで問い合わせてメールで返信というやり取りがとても多いものです。
仕事関係のメールで、「インラインにて回答します」と書いてあるものを見かけますが、どのような意味があるのかわかりますか。
「インライン」の意味とビジネスメールでの効果的な使い方を紹介します。
メール返信の作業スピードを上げ、効率よく仕事をこなしたい人やビジネスメールのマナーに不安のある人は必見です。
インラインとは何か?
「インライン」とは、もともとはIT用語で“建物内の末端機と中央コンピューターを通信回線で接続するオンラインの方式”のことをいいます。
一般的には、“一列に並んでいること”を指します。
「インラインスケート」のインラインも、この意味になります。
そして、メールにおける「インライン」は、返信する際に相手の文章を全文引用して、応答文を数行おきに挟んでいくような書式を指しています。
このような形式で返信することを「インラインで返信する」などといいます。
お客様からの問い合わせに対する返信方法
たとえば、打ち合わせの日程を決める場合に
①7/25(木)15:00~ ②7/29(月)10:00~ ③7/29(月)13:00-
※1時間程度を予定しています。」
とメールで聞かれたとします。どのように返信しますか。
まず1つ目の方法は、メールの地の文で返答する方法。
例:
次回の打ち合わせの日程についてですが、①7/25(木)15:00でお願い致します。
もう1つ、相手の文章を引用して返答する方法もあります。
例:
>次回の打ち合わせについて、以下の日程候補ではご都合いかがでしょうか。
>①7/25(木)15:00~ ②7/29(月)10:00~ ③7/29(月)13:00-
>※1時間程度を予定しています。
①7/25(木)15:00でお願い致します。
どちらも問題ないと感じる人もいれば、後者の引用タイプを「失礼だ」と感じる人もいます。
ビジネスメールでよく使われる「インラインで失礼します」とは、メール冒頭であらかじめこうした形式をとることを断っておくための文言です。
これは「いただいたメール本文を引用しながらご返答いたしますことをご了承下さい」と断りを入れているのです。
インラインで返信するメールの例は以下のようにものになります。
例:
○○○○株式会社 ○○様
株式会社□□□□の□□です。お世話になっております。
早速、ご連絡をいただき、ありがとうございました。
以下、インラインで失礼いたします。
>次回の打ち合わせについて、以下の日程候補ではご都合いかがでしょうか。
>①7/25(木)15:00~ ②7/29(月)10:00~ ③7/29(月)13:00-
>※1時間程度を予定しています。
①7/25(木)15:00でお願い致します。
>社内で意見をまとめたいので、お手数ですが、打ち合わせの前日までに打ち合わせ用の資料をメールでお送りいただけますでしょうか。
資料送付の件、承知いたしました。7/24(水)までにお送りします。
では、引き続きよろしくお願い致します。
引用するメリット
引用する大きなメリットは効率的であるということです。
一方、引用しない場合は質問された内容も含めて、全てを書かなければなりません。
新たに書き直すことによって、数字や漢字を間違えてしまう可能性があります。
そうなると、話が進むどころか、本来はしなくても済む確認や訂正をしなければならず、効率が低下するばかりです。
必ずしも引用をしないことが間違いではありませんが、スピードと正確さの面で大きな差が生まれます。
インラインは失礼にあたるのか?
冒頭に断りを入れた上でのインライン(引用返信)がよいでしょう。
「先方のメール本文の途中途中で、それに対する自分の見解や返事などを入れていくというQ&A的な形式にした方が相手に理解してもらいやすい場合が多いです。
インラインはよく使われる手法ですが、人によってはその形式に馴染みがなく、失礼だと感じる方もいるかもしれません。
そのようなケースを考慮して、引用返信をする際には、最初に「インラインにて失礼いたします」などの断りを入れておけば問題ありません。
ビジネスメールで気を配りたいマナー
メールでの引用、そしてインラインの断りを入れるかどうかについては、業界や地域性があります。
会社によっては全く気にしていなくても良い場合や当然のようにインラインの断りを入れる場合もあります。
メールは会話によるコミュニケーションをとらないので、冷たい感じになりがちです。
一方でビジネスは効率を大事にするので、余計な文言は省略するべきだという考えもあります。
ビジネスメールで気を配りたいのは、相手にとって読みやすいメールであるかどうかという点です。
その点において、インラインの形式は相手に配慮したメールといえますが、不必要な箇所まで引用してしまっては本末転倒です。
必要な箇所が拾いにくくなってしまうと読みづらく、相手は不快にすら感じるかもしれません。
また、必要な箇所に固執するあまり、挨拶など相手への配慮を欠いた内容になってしまうのも問題です。
大切なのは、こちらの伝えたいことをいかにわかりやすく失礼なく伝えられるかということです。
送る相手の立場や人柄も考慮して、書き方を工夫することが結果的に効率的なビジネスメールにつながります。
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