プリンターを購入しようとお店に行ったけれども、どれがよいか悩んだり、結果としてコストがかかる機種を購入して後悔したといった経験はありませんか。
家庭でもビジネスでもなにかと使う機会が多いプリンターですが、メーカーや製品によって特徴が異なるので、購入する際にはしっかりと検討することが重要になります。
プリンターを選ぶ際に注目するポイントや、注意点などをまとめました。
それぞれのメーカーの特徴を知り、理解することで、自分に合ったプリンターを選ぶことができるようになります。
プリンターを選ぶポイントとは?
1.プリンターを使う用途で選ぶ
プリンターは使用目的によって種類が変わってきます。
各タイプの特徴をしっかり確認して目的に合ったプリンターを選びます。
(1)単機能プリンター
印刷機能に特化したシンプルなプリンターです。
コストパフォーマンス重視の低価格帯モデルから高画質・高機能モデルなどの機種もあります。
(2)複合機(多機能プリンター)
印刷以外にもコピー、スキャナーといった機能を1台に備えたプリンターです。
さらにFAX機能の付いた複合機もあります。
多機能一体のコンパクトサイズになるので省スペースで利用できます。
また、消費電力が安くなるので経済的です。
(3)コンパクトフォトプリンター
写真印刷に特化したコンパクトなプリンターです。
印刷可能サイズはL版・2L版やはがきサイズまでが多いのですが、その分、本体がコンパクトになるので持ち運びが可能になります。
携帯電話やデジカメのメモリーカードから直接印刷できるので、パソコンが苦手な方でも簡単に印刷することができます。
また、写真だけではなく年賀状も作れるタイプのフォトプリンターもあります。
2.プリンターの印刷方式で選ぶ
プリンターには代表的な2つの印刷方式があります。
利用目的に合った印刷方式のプリンターを選ぶとよいでしょう。
(1)インクジェットプリンター
インクを直接用紙に吹き付ける印刷方式のプリンターです。
高精細な印刷が可能なので高画質写真や年賀状などの印刷にオススメです。
維持費が安く、使用方法も簡単なため、家庭用で使うのに最適です。
また、サイズはコンパクトなものが多いため省スペースで使えます。
(2)レーザープリンター
トナーと呼ばれる粉を静電気で紙に付着させる印刷方式のプリンターです。
トナーの入ったカートリッジをセットして使用します。
印刷速度が速く、インクも安価なものが多いため大量・高速印刷が多いビジネス用に最適です。
カラーレーザーとモノクロレーザーの2種類があります。
プリンターの基礎知識
1.カートリッジの違い
(1)独立型インク
無くなった色だけ交換するタイプのインクカートリッジです。
無くなった色だけ交換すればいいのでコストが安くなります。
特定色や写真印刷が多い場合にオススメです。
(2)一体型
黒のインクとカラーのインクがセットになったインクカートリッジです。
インク詰まりが起こってもインクカートリッジを交換すれば解消することができるのでメンテナンスが簡単です。
印刷頻度が少ない場合やモノクロ印刷が多い場合にオススメです。
(3)トナー
カラーレーザーやモノクロレーザーのプリンターで採用されているタイプです。
トナーの料金は1万円近くとインクジェントに比べて高いですが、一度の交換で2,000枚程度の用紙をプリントすることができます。
2.インクの違い
(1)染料インク
水に溶ける性質の色素を使ったインクです。
色の再現性が高く、光沢や発色性が高いため写真を綺麗にプリントしたい場合に向いているインクです。
(2)顔料インク
水に溶けず、色素が粒子のまま残ったインクです。
耐水性に優れ、色あせし難い特徴があります。
ブラックインクなら普通紙でもにじみを抑えてくっきりとした印刷に強いので、文章の印刷に最適です。
(3)染料+顔料
色再現性の高いカラー染料インクと、黒が鮮明な顔料インクを採用することで、写真も文字もきれいにプリント可能なタイプです。
年賀状やプレゼン資料など、写真と文字の両方の美しさを追求する場合に最適です。
3.解像度(dpi)
印刷の解像度とは一般的には1インチ(2.54cm)内に印刷できるドット(点)の数を表す単位の事を表しています(dpi=Dot per Inch)。
この数字が大きいほど、よりきめ細やかで、滑らかに印刷物を表現できるといえます。
プリンターのスペック欄では、「最高解像度」などの項目が記載されています。
たとえば、最高解像度9,600×2,400dpiのプリンターの場合、「最高横9,600dpi、縦2,400dpiの印刷が可能です」という意味になります。
4.通信・接続機能
(1)ダイレクト印刷
メモリーカードから直接印刷する機能です。
パソコンに接続する必要がなく、手軽にプリントできます。
(2)ネットワーク印刷
有線LANやWi-Fiを利用して印刷する機能です。
複数のパソコンやスマホでプリンタを簡単に共有できます。
(3)NFC対応
ワイヤレスでデータ通信するための規格で、主にスマホで採用されています。
NFC対応プリンターでは、スマホをかざすだけで接続設定が可能です。
(4)AirPrint対応
ソフトやドライバーのインストールが不要で、アップルの「iPhone」「iPad」「iPod touch」などiOS搭載端末から写真やEメール、WebページをWi-Fi経由でプリントできる機能です。
(5)Wi-Fi Direct対応
Wi-Fi機器同士を直接接続できる規格です。
Wi-Fi Direct 対応機器には、無線LANルーターやアクセスポイントなどの親機の代わりとなる機能が搭載されています。
Wi-Fi Direct 対応機器が1つあれば、他の機器はWi-Fi Direct 非対応でもWi-Fi対応機器であれば直接Wi-Fi接続ができます。
ただし、一度に接続できるは1台までで、複数の機器と同時使用できません。
5.通信機能(インターフェイス)
(1)USB
もっとも広く普及しているインターフェイスです。
理論値の最大転送速度はUSB2.0が480Mbpsです。
(2)無線LAN/有線LAN
プリンターを家庭内ネットワーク(LAN)に接続できる機能で、LANに繋がったパソコンなどからの印刷が可能になります。
電波を用いる無線LAN対応とケーブルを用いる有線LAN対応モデルがあります。
(3)IrDA
赤外線を使った通信のことで、IrDAを搭載したケータイやスマホで撮影した写真をワイヤレスでプリントできます。
(4)Bluetooth
デジタル機器用の近距離無線通信規格のことで、スマホやタブレットPCで撮影した写真をワイヤレスプリントする際に利用します。
主なメーカーの特徴とは?
1.キャノン
キヤノンのプリンターは、顔料インクのブラックと染料インクのブラックの使い分けで写真も文章もプリントする人向けです。
顔料インクを使用することで小さな文字や、細かな文字もにじまず、くっきりとした文字印刷をすることができます。
また、染料インクを使用することで鮮明な写真印刷をすることも可能です。
さらに、Wi-Fi経由でのダイレクトプリントや、スマホをタッチするだけで印刷できるNFCへの対応など、先進機能にもいち早く対応します。
写真も文字も高画質をとことん追求してキレイに印刷できることがキャノンプリンターの特徴といえます。
2.エプソン
プリンター市場を作った伝統の存在でエプソンのプリンターといえば写真のプリントに定評があります。
顔料インクを使わずに染料インクのみを使用したプリンターを販売することで差別化を行なっています。
染料インクは、写真用紙のような印刷面が「ツルツル」している用紙との相性が良く、光沢感や色の鮮やかさにおいて顔料インクに勝っています。
また、耐光性に優れたインクを使用することで、フォトフレームに入れて飾るのであれば50年、アルバムに入れて直接光の当たらない場所で保存すると200~300年色あせることがありません。
1万円程度で購入できるエントリーモデルから、写真作品づくりまで対応できる高画質モデルまでを揃えています。
キャノン、エプソン、ブラザーの中で写真印刷においてトップの品質だといえます。
写真印刷をメインで行なうのであればエプソンプリンターをオススメします。
3.ブラザー
ブラザーのプリンターは染料カラーインクと顔料ブラックインクで写真は鮮やか、文字はくっきり、1回のインク交換でたっぷりおトクにプリントでき、必要十分な品質とコストを両立しています。
ただし、写真品質に関しては、キャノン、エプソンと比較するとやや劣ります。
また、A4用紙を連続でスキャンすることや名刺や領収書などの複数の原稿を1度のスキャンで別々のデータとして保存することができます。
さらに用紙補充、インク交換、SDカードの差込み、プリンター操作をすべて前面で行なえる「フロントオペレーションシステム」を採用していることも特徴です。
ブラザーのプリンターの特徴からするとビジネス向きといえます。
コストを抑えて、仕事効率を上げたい人にブラザープリンターをオススメします。
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