胆のう摘出後の後遺症はどのような症状があるか? 手術後の正しい生活とは?

生活全般

胆石や胆のうポリープなどが原因で胆のう摘出手術を受ける人が多くなってきています。

胆のう摘出はどういう手術をするのか手術後の生活はどのようになるのか不安になりませんか。

胆石による痛みは辛いものですが、手術とその手術後の後遺症も気になります。

胆のう摘出手術の後には、どんな後遺症があるのでしょうか。

胆のう摘出についてしっかりと理解して不安を解消しましょう。

胆のうはどのような役割を持つ臓器か

胆のうは右のわき腹、肋骨(ろっこつ)のすぐ下あたりの奥の方に位置しています。

肝臓の真下にあります。

さらにその脇に十二指腸があります。

肝臓から十二指腸に向かって、胆管という管が通っていますが、その胆管にぶら下がるようにして胆のうがあります。

胆のうは西洋ナシの形をしていて、30~50mlの容積を持った袋状の形をしている臓器で、肝臓で作られた胆汁をいったん胆のうに蓄え、濃縮し、食べ物が腸内に入ってきたときに胆汁を排出し、消化を助ける働きを持っています。

胆汁は脂肪の消化吸収に必要な消化液です。

胆汁がないと食物中の脂肪を消化吸収できなくなり、腸の中にたまった脂肪の刺激によって下痢が起こします。

下痢のために他の栄養素を消化吸収する機会も失われ、栄養失調や水分不足に陥るのです。

胆のうとは濃縮された胆汁が排出し、脂肪の分解・吸収を助けてくれる大切な臓器なのです。

胆のう摘出手術とは

胆のうを手術で摘出する治療で腹腔鏡を用いて行なう手術とお腹を開いて行なう手術(開腹術)とがあり、どちらの手術も全身麻酔をして行ないます。

1.腹腔鏡下胆のう摘出術

現在、胆のう摘出術の主流となっている手術方法です。

お腹に1~2cmの傷を3~4ヶ所開けて、二酸化炭素ガスでお腹を膨らませてから腹腔鏡と専用の器機を傷口から入れて、テレビモニターでお腹の中を観察しながら胆のうを切除します。

切除した胆のうは、おへその上に開けた傷口から取り出します。

手術の傷が小さくてすみ、手術後の痛みが開腹術よりも少なく、回復も早いために手術後2~5日で退院が可能です。

2.開腹胆のう摘出術

胆のうの炎症が強い場合や過去に胃など上腹部の手術を行なっている場合などに行ないます。

腹腔鏡での手術より傷が大きく、手術後の痛みも強いですが、実際にお腹の中を広く観察して、周囲の臓器や血管を確認しながら手術を行なえる利点があります。

通常は手術後5~7日で退院が可能です。

胆のうを摘出して問題なないのか?

胆のうが胆石や胆のう炎、胆のうポリープなどによって、胆のうの働きが悪くなっていたり、痛みが生じている場合は胆のうの摘出手術を施さなければならない場合があります。

胆のうの働きも悪くなく、痛みもない場合は、そのまま経過観察の場合や投薬での治療になる場合もありますが、ほとんどの人が手術を受けています。

なお、胆石が発見された場合、そのほとんどが炎症も起こしているため、もう機能していない場合がほとんどです。

胆のうを摘出した場合、脂肪分の消化吸収ができないのではないかと疑問を持つと思いますが、実は、胆のうを摘出しても体への影響はほとんどありません。

消化吸収を助けるためには、大切な役割を持っていますが胆汁は肝臓で作られているため、胆のうがなくても食べ物の消化を行うことはできます。

ただし、胆のうで胆汁を蓄えておくことができない為、摘出した後は消化が悪くなり、便が緩くなりがちです。

下痢や胸やけなどを起こさないようにするためにも、油っぽい食事は控える必要があります。

摘出手術自体は、胆のうの状態にもよりますが比較的回復も早く、傷もほとんど目立ちません。

手術後は合併症がなければ平均して4~7日、長くても14日ほどで退院が可能です。

退院後の通院も1、2回で済み、定期的な通院の必要はありません。

胆のう摘出手術後の後遺症は何があるか?

胆嚢摘出手術は比較的回復が早く、胆嚢の欠損症状もほとんど認められませんが、ごくまれに手術後の後遺症がある場合があります。

「胆嚢摘出後症候群」と呼ばれています。

症状としては胆石や胆嚢炎で胆嚢の摘出術を受けたあとに上腹部の痛みや不快感、発熱、黄疸(おうだん)、吐き気などの胆石の発作のような症状が持続・出没する状態をいいます。

多くの場合は手術で取り残してしまった胆管結石があったり、手術後に胆管が細くなったり、乳頭炎や慢性膵炎などを併発したことが原因となります。

傷が生んでしまう創感染、肺炎、胆汁の流れ道を傷つけてしまう胆管損傷、小腸や大腸を傷つける腸管損傷なども後遺症としてあります。

しかし、これらの合併症は、どれもまれなものであり、報告例はかなり少ないものです。

一般的に起こりやすい後遺症は便が緩くなる程度のもので後遺症が少ない手術です。

胆嚢摘出後の生活

胆のうを摘出した後、生活面は手術前とほとんど変わりはありません。

胆のうは胆汁をたくわえるための臓器であるため、手術により胆汁をたくわえることができなくなりますが胆汁は肝臓から生成されるため、生活に大きな影響はありません。

食事に注意することが必要な可能性が指摘されていますが、それ以外は健康な生活を送ることができるでしょう。

1.胆のう摘出後の食事

基本的には手術前と同じ食生活で問題ありませんが、胆のうは胆汁をたくわえる臓器で摘出すると胆汁をたくわえることができなくなります。

油脂を分解する働きのある胆汁が少なくなるので下痢などの症状が出る人もいます。

胆のう摘出後は脂肪分の多い食事は控えるようにしましょう。

(卵やバター、脂身の多い肉、天ぷらなど)

2.胆石を再発させないために普段からできること

胆石ができる要素については様々な理由がありますが、胆石形成のリスクが上がる急激なダイエットや食事は普段から気をつけるようにしましょう。

ただし、食生活に関しては研究のレベルが低いため、あまり大きな影響はない可能性があります。

(1)胆石のリスクを上げる食事

  • 炭水化物、糖質が多すぎる
  • 動物性脂肪の過剰摂取

(2)胆石のリスクを下げる食事

  • 果物
  • 野菜
  • ナッツ
  • サバやサンマなどに含まれる多価不飽和脂肪酸
  • 大豆など植物性のタンパク質
  • 食物繊維
  • カフェイン

遺伝子検査サービス【MYCODE】

MYCODEは、唾液を採るだけで最大280項目の病気と体質の遺伝的傾向がわかる、遺伝子検査キットです。

東京大学医科学研究所との共同研究にて選定された科学的根拠を基に解析結果を提供しています。

この遺伝子検査によって生まれもった病気のかかりやすさなどがわかり、病気を未然に防ぐのに役立ちます。

病気は、遺伝子と生活習慣の影響で、発症が決まるといわれています。

このため、病気予防には、遺伝的にかかりやすい病気の傾向を知り、生活習慣の改善を行って、未然に防ぐ対策を行うことが重要であるといえます。

遺伝的な病気のリスクを知り、医師/管理栄養士監修の生活習慣アドバイスを基にすることで、今後の生活改善に繋げることができます。

詳細はこちらをご覧ください ☞ 遺伝子検査サービス「MYCODE」

コメント

タイトルとURLをコピーしました