パソコンの入れ替え時に必要な業務に、「キッティング」があります。
パソコンをはじめオフィスで使用するシステム機器のほとんどは導入してスイッチを入れるだけでは稼働しません。
各種ソフトウェアのインストール、機器本体に対するオプション機器の増設といった作業が不可欠です。
普段、会社から支給されている様々なIT機器は程度の差はあれキッティングを必ず行っています。
従業員の手を煩わせることなくすぐ使えるようにするため、またはセキュリティのために重要な事前準備をしています。
キッティングとは
英語の kitting は「装備を付けさせる」、「配備する」の意味があり、ITの世界でのキッティングとは、コンピュータや通信機器などを導入したり配備したりする際に必要な作業を指します。
たとえば、パソコンの場合、メモリの増設、OSの変更、アンチウイルスソフトのインストールなどが挙げられますが、グループウェアや会計システムのインストール、ネットワークの整備、ID登録、職種や階層によって使用できるシステムやアプリの制限をかけるなど必要となる事前準備作業は多岐に渡ります。
企業でパソコンを導入する際、従来は情報システム部門の人がこうした設定を行うことが多くありました。
しかし、最近ではコスト削減のために外部の業者に委託したり、あらかじめ設定されている状態で納品させるケースが増えています。
こうした一連の作業のことを一般にキッティングといいます。
もちろんパソコン以外の機器も、それぞれの使用状況に応じた初期設定が必要で、そういった作業もキッティングといいます。
社内で対応するキッティングの懸念とは?
1.時間が掛かる
通常、キッティングはまとまった台数に対して行われるため、物理的に時間が掛かります。
対応する担当者もキッティングの専門家ではないため、技術的なレベルの問題や通常の業務に追加して作業を行うため、スケジュール通りに作業が完了しない場合があります。
2.見えないコストが掛かる
まとまった台数のキッティングを行う場合、相応の時間が必要となります。
短期間で対応を完了させるためには残業が必要となり、「見えないコスト」が積み重なっていくことも考えられます。
キッティングを「出してつなげるだけの単純作業」と捉えていると見えない損失に気付きにくくなります。
3.設定ミスが起こることも
社内の担当者レベルでは小さな設定ミスをする可能性が大いにあります。
これにより社内ネットワークに接続できない、業務で使用するアプリケーションが利用できない場合があり、通常業務に支障を来すことがあります。
軽視されるセキュリティ対策
ネットを介した情報漏えい事故や事件があるなかで従業員の良心を前提にした機器の貸与は、会社としてあまりにも無防備です。
「従業員を信じている」「滅多に起きないケース」「可能性の話をしても仕方ない」と考え放置してしまうと万が一事故があった場合、相当な損失となる可能性があります。
企業がキッティングを行う際に最も重視すべきことは機密情報や個人情報の漏洩を防ぐため、セキュリティ対策を徹底することです。
具体的には「使用ソフトウェアの制限」「ファイアウォールの設定」などが挙げられますが、ウイルス感染リスクを含めた運用時はもちろんのことキッティングの時点で充分なセキュリティ対策を行うことが重要になります。
効率的なキッティングを行うにはどうすればよいか?
新入社員が集中する時期など、キッティングは一時的な業務でありながらも、機密情報や個人情報の保持に関連する重要で手間のかかる作業であり、これをミスなく効率よく進めるために社内で対応する場合、担当者に大きな負担を強いられがちになります。
こうしたキッティングに関する課題はアウトソーシングすることにより、大部分を解決することが可能です。
コストを含めた社内事情や規模に応じ、適切な判断を行うことが作業効率化につながるといえます。
キッティングは社内で行うよりアウトソーシングしたほうがよい
社内の担当者の負担になると予測できるのであれば、数量に関わらずアウトソーシングした方がよいでしょう。
アウトソーシングすると以下のようなメリットがあります。
1.作業負担の軽減
社内でこれらの作業を行うと通常業務に支障を来すため、アウトソーシングすることで実作業や検証作業は大きく軽減されます。
その他、計画やスケジュール管理、初期不良対応やアフターフォローなどの負担も軽減できます。
2.作業をルール化できる
ある程度の手順をルール化しておくことでミスなく無駄なく作業を行うことができます。
特に定期的に機器を購入する場合は効果が大きくなります。
3.専門知識を入手
最新のIT情報、セキュリティ情報を提案してもらうことができます。
社内で考える以上に有効な手段に気づくこともあるかもしれません。
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