「恐縮」という言葉は、ビジネスメールの中や目上の人との会話の中でもよく出てくる言葉の一つです。
「恐縮」の意味や使い方を紹介します。
何気なく使用される単語ですが、使い慣れている人が多い分、意味や用法を意識することが少ない単語でもあります。
正しい敬語や使い方が気になる方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
「恐縮」の意味と使い方
「恐縮」の意味とは「おそれて身がすくむこと」。もうひとつは、「相手に迷惑をかけたり、相手の厚意を受けたりして申し訳なく思うこと」です。
ビジネスでは後者の意味で使用されることが一般的です。
さらに、「身がすくむ」とあるように自分自身を謙遜したり、「頭が上がらない」というふうに相手を持ち上げる意思を示すことができます。
特に「すみません」に代わる言葉として「恐縮」が用いられることが多く、以下のような使い方があります。
1.相手の厚意に対して感謝を伝える
たとえば、上司や取引先からお褒めの言葉を頂戴した際やい評価を受けた際に「お褒めいただき恐縮です。」「高いご評価を賜り、恐縮しております。」のように使われます。
この場合、感謝やお礼を伝える「ありがとうございます。」「感謝いたします。」と同じ意味で用いられますが、身に余る高評価だったと感じる場合に「恐縮」を使う人が多い傾向にあるようです。
2.依頼をする際や了承を得る
相手に何かを依頼するケースや了承を得たい場合に使われることがほとんどです。
「お忙しいところ恐縮ですが、○月○日までにご回答をいただきたくお願い申し上げます。」や「私事で大変恐縮ですが、明日から出張のため不在となっております。」のように使います。
「すみませんが」「申し訳ありませんが」「お手数ですが」の代わりとして用いられ、相手への配慮を示す役割も果たします。
3.感謝と丁寧な挨拶言葉を伝える
たとえば、とても忙しい相手が会社を訪問してきてくれた場合には、「お忙しいところ恐縮です」という場合もあります。
これは相手への労いや感謝と訪問してきてくれたことに対する挨拶的な意味合いを兼ねています。
「恐縮」の例文
様々なビジネスシーンを想定して、「恐縮」の使い方を紹介します。
1.相手の厚意に対して感謝を伝える場合
- 本日は私のつたない企画書を高くご評価を賜り、恐縮です。いまだ未熟者ですが、今後ともご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。
- 従業員の皆様から受けたご親切と励ましのお言葉に、ただただ恐縮するばかりです。
2.依頼をする際や了承を得る場合
- お問い合わせの製品は、すでに生産を終了いたしました。恐縮ですが、代替品のカタログをお送り致しますので、ご検討いただけましたら幸いと存じます。
- 恐縮ではございますが、再度、お尋ねの企業名や所在地をご確認いただけますようお願い申し上げます。
3.感謝と丁寧な挨拶言葉を伝える
- 昨日は、お忙しい中、お時間を割いて頂きまして恐縮です。心より感謝いたします。
- 昨日は社長御自ら工場内をご案内くださり、誠に恐縮いたしました。皆様の手厚いおもてなしに、厚く御礼申し上げます。
「恐縮」の類義語と例文
「恐れ入ります」は、よく使われる類義語です。
「身の縮む思いです」も、目上の方に対して恐れ多く申し訳ないという気持ちを伝えるフレーズです。
その他には「お恥ずかしい限りです」や「申し訳ありません」などでも代用が可能です。
【例文】
- 恐れ入りますが、納品先を下記の弊社○○支店に変更していただけますようお願い致します。
- ご丁寧なお祝いを頂戴し、誠に有難うございます。弊社があのような賞をいただくとは想定外のことで、まさに身の縮む思いです。
- ご親切にお知らせいただき、本当に助かりました。このような不手際に気づかず、まったくお恥ずかしい限りです。
- 新入社員研修の参加人数が変更になりましたので、申し訳ありませんが、会議室の変更をお願い致します。
- このたびは弊社○○講習会を申し込みいただき誠にありがとうございます。
- 申し訳ございませんが、お問い合わせの○○講習会は、先月末日をもってお申し込みの受け付けを終了いたしました。
ビジネスシーンに応じて「恐縮」を使い分ける
ビジネスシーンでよく使われる「恐縮」はとても便利な言葉です。
当たり前のように使用しがちですが、意味をしっかり理解して用いないと締まりのない文章になってしまうことがあります。
また、「恐縮」を使う場面は相手からの厚意に対して感謝の意図を伝えるときなどに使用する言葉であるだけに前後のフレーズと共に正確に使い分けることが大切です。
使い勝手がいい言葉である反面、使い慣れてくると何度も使うことがあります。
同じ単語を繰り返し使うことで文章自体が稚拙に感じられたり、内容が伝わりにくくなることもあるため注意が必要です。
「恐縮」というフレーズは感謝や申し訳ない気持ちを伝えたい時には非常に有効なフレーズです。
特に目上の方とのコミュニケーションで役立ちますので、お礼や依頼する際にぜひ活用してみてください。
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