資格ブームに衰える気配はないとはいえ、1,000以上ある資格の中から有望なものを選び出すのは至難の業です。
資格を取ってゴールというものではなく、その資格を活かせる仕事がなければ稼ぎには繋がりません。
他人と差別化できる稼げる資格は何なのか。
ニーズがあり、あまり費用や時間をかけずに取得できるもので、実際に資格を取得することで稼ぐことができ、将来性があり、今後も有望な資格をピックアップしました。
労働安全コンサルタント
労働現場の状況を診断し、安全性を確保するための指導などを行う仕事です。この場合の「安全」の範囲は多岐に渡ります。
工事現場など、肉体的な危険を伴う職場では以前から重要な役割を果たしていましたが、最近はうつ病やいじめ、受動喫煙など精神的、環境的な安全も注目されることが多くなりました。
ブラック企業対策としても、IT業界や接客業からのニーズが増えています。
資格取得後は弁護士事務所、社会保険労務士事務所、官公庁や企業のコンプライアンススタッフとして働く人が多くいます。
独立するにはこの資格だけではなく、行政書士や社会保険労務士といった法律系の資格をあわせて取ったほうがよりよいでしょう。
また、資格保有者には相談に対する守秘義務があり、罰金も定められています。
通関士
関税の計算や検疫のための手続きなどを担う、貿易のプロフェッショナルです。
貿易の自由化や円安での輸出増加に伴い、港湾や空港、物流、貿易関係だけでなく、商社や小売業でもアピールできる資格です。
通関士はほとんどの場合、企業や団体に所属して働くことになります。
自営業で輸入品を扱う場合、通関士としての知識を生かすことはできますが、事務所を開いて開業する形での独立はできません。
会社員として働く場合は、給与に5,000円~10,000円程度の資格手当がつくことは多いですが、収入が特別に良いとはいえません。
ですが、急に通関士が必要になったときに求人が出される派遣社員やアルバイトの場合は一般事務に比べると時給が高くなることもあります。
電気工事士
電気の取り付け、配線等の工事は電気工事士の資格を持っていなければ行うことができません。
電気は現代社会に不可欠で、それにまつわる作業は今後もなくなることはありませんから、一生ものの資格といえるでしょう。
また、2010年に改正省エネ法が施行されて以来、照明のLEDへの切り替えが急速に進み、ますます需要が増えています。
最初に取得する場合は600ボルト以下の電気量を扱う第二種がオススメです。
一般家庭や店舗、小規模施設に対応するには充分ですし、受験資格に制限がなく、誰でもチャレンジできます。
基本的には会社に所属して経験を積むことが現実的ですが、災害復興や急ピッチの施行が必要な場所では就職1年目で年収400万円以上稼ぐことも珍しくありません。
危険物取扱者
「危険物」とは爆発や火災の恐れがある物質のことです。一定数以上の危険物を扱う場所では必ず危険物取扱者を置かなければなりません。
ガソリンスタンドや工場、工場現場等で必要とされるポピュラーな資格です。
アルバイトであっても資格があれば、手当が時給に反映されて収入アップが期待できます。
取り扱える物質の種類によって甲・乙・丙種があり、最も簡単に取得できるのは丙種です。
扱える物質は火災の恐れが大きい油類に限定されます。
また、他の国家試験と比べて受験のチャンスが多いのが危険物取扱者試験の大きな特徴です。
例年、東京都なら毎月、他の道府県でも年に最低2回は実施されています。
就職・転職活動中なら履歴書で資格をアピールするために最低でも乙種を取っておきたいところです。
電気主任技術者
「電気主任技術者」は、大型施設やビルの高圧電気を扱う工事、管理に携わる仕事です。
第一種~第三種の等級があり、第一種では上限なく電気を扱うことができ、第三種でも50,000ボルト未満の電気工作物に関わることができます。
電気主任技術者の多くは電力会社やゼネコン、メーカーなどの企業に所属し、独立することはあまりありません。
資格の需要が高いことと、扱う物件の大きさから、独立して下請けになるよりは、企業の社員として就職したほうが安定した収入を確保できます。
逆に、一般住宅や小規模店舗をメインに仕事を受注したいという人は「電気工事士」の資格を取得して、電気工事士として独立するケースが多いようです。
フォークリフト運転者
18歳以上であれば、一定期間の講習を受けることで誰でも取得できます。
工場のほか、ホームセンターや最近増えているショッピングモールでの需要が高く、パートの時給アップも期待できます。
ただし、公道を走る事はできません。
防火・防災管理者
ほぼ全ての商業施設や福祉施設で必要とされる資格です。
各自治体でテキストを受け取り(有料であることが多いです)、1~2日の講習を受けることで、ほぼ確実に取得できます。
エネルギー管理士
改正省エネ法により、施設の規模に応じてエネルギー消費をチェックする管理士を1~4人配置することが義務付けられています。
工場、商業施設などからの需要が増えている資格です。
警備員
学科+実技試験を受けて取得する方法と講習を受けることで取得する方法があります。
就職のためというよりもすでに警備員として働いている人がスキルアップや好待遇での転職に向けて取ることが多い資格です。
予防技術検定
消防署などの防災施設に必要な予防技術者の認定試験です。
受験資格に実務経験が必要なこともあり、消防関連に就いている人が取得することがほとんどです。
残念ながら一般企業へのアピール力としては期待できません。
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